日本・ハンガリー外交関係開設150周年記念
ブダペスト国立西洋美術館 & ハンガリー・ナショナル・ギャラリー所蔵
ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年

紫のドレスの婦人

シニェイ・メルシェ・パール《紫のドレスの婦人》1874年、油彩/カンヴァス、ブダペスト、ハンガリー・ナショナル・ギャラリー
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

不釣り合いなカップル 老人と若い女

ルカス・クラーナハ(父)《不釣り合いなカップル 老人と若い女》1522年、油彩/ブナ材、ブダペスト国立西洋美術館
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

聖母子と聖パウロ

ティツィアーノ《聖母子と聖パウロ》1540年頃、油彩/カンヴァス、ブダペスト国立西洋美術館
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

聖小ヤコブ(男性の頭部の習作)

エル・グレコ《聖小ヤコブ(男性の頭部の習作)》1600年頃、油彩/カンヴァス、ブダペスト国立西洋美術館
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

性格表現の頭像 子どもじみた泣き顔

フランツ・クサーヴァー・メッサーシュミット《性格表現の頭像 子どもじみた泣き顔》1771-1775年、鉛と錫の合金、ブダペスト国立西洋美術館
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

少女の胸像

オーギュスト・ルノワール《少女の胸像》1895年頃、油彩/カンヴァス、ブダペスト国立西洋美術館
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

トゥルーヴィルの防波堤、干潮

クロード・モネ《トゥルーヴィルの防波堤、干潮》1870年、油彩/カンヴァス、ブダペスト国立西洋美術館
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

フランツ・リストの肖像

ムンカーチ・ミハーイ《フランツ・リストの肖像》1886年、油彩/カンヴァス、ブダペスト、ハンガリー・ナショナル・ギャラリー
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

少女の胸像

マルコー・カーロイ(父)《漁師たち》1851年、油彩/カンヴァス、ブダペスト、ハンガリー・ナショナル・ギャラリー
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

アテネの新月の夜、馬車での散策

チョントヴァーリ・コストカ・ティヴァダル《アテネの新月の夜、馬車での散策》1904年、油彩/カンヴァス、ブダペスト、ハンガリー・ナショナル・ギャラリー
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

少女の胸像

ヴァサリ・ヤーノシュ《黄金時代》1898年、油彩/カンヴァス、ブダペスト、ハンガリー・ナショナル・ギャラリー
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

赤ワインを飲む私の父とピアチェク伯父さん

リップル=ローナイ・ヨージェフ《赤ワインを飲む私の父とピアチェク伯父さん》1907年、油彩/厚紙、ブダペスト、ハンガリー・ナショナル・ギャラリー
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

メルツ(ボルトニクのために)

クルト・シュヴィッタース《メルツ(ボルトニクのために)》1922年、コラージュ/紙、ブダペスト国立西洋美術館
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

展覧会概要

日本とハンガリーの外交関係開設150周年を記念し、ハンガリー最大の美術館であるブダペスト国立西洋美術館とハンガリー・ナショナル・ギャラリーのコレクション展を開催します。両館の所蔵品がまとまった形で来日するのは、じつに25年ぶりとなります。
本展では、ルネサンスから20世紀初頭まで、約400年にわたるヨーロッパとハンガリーの絵画、素描、彫刻の名品130点が一堂に会します。クラーナハ、ティツィアーノ、エル・グレコ、ルノワール、モネなど巨匠たちの作品に加えて、日本では目にする機会の少ない19・20世紀ハンガリーの作家たちの名作も、多数出品されます。「ドナウの真珠」と称えられるハンガリーの首都、ブダペストから一挙来日する珠玉の作品群を、ぜひご堪能ください。

会 期 2019年12月4日(水)~2020年3月16日(月)
毎週火曜日、年末年始2019年12月24日(火)~2020年1月7日(火)休館
※ただし、2月11日(火・祝)は開館、2月12日(水)は休館
開館時間 10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会 場 国立新美術館 企画展示室1E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
主 催 国立新美術館、駐日ハンガリー大使館、ブダペスト国立西洋美術館 & ハンガリー・ナショナル・ギャラリー、日本経済新聞社、テレビ東京、BSテレビ東京、TBS、BS-TBS
特別協賛 スズキ
協 賛 伊藤忠商事、学校法人城西大学、住友電気工業、ダイキン工業、竹中工務店、デンソー、東レ、豊田通商、ファナック、メタルワン、ヤマトホールディングス、ライブアートブックス
協 力 三桜工業、スタンレー電気、住友商事、大気社、ユーシン、菱和、ルフトハンザカーゴ AG
観覧料(税込)
当日 1,700円(一般)、1,100円(大学生)、700円(高校生)
前売/団体 1,500円(一般)、900円(大学生)、500円(高校生)
  • 中学生以下は入場無料。
  • 障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料。
  • 2020年1月11日(土)~13日(月・祝)は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)。
  • 前売券は2019年9月12日(木)~12月3日(火)まで、国立新美術館では10月16日(水)~12月2日(月)まで販売。
  • 団体券は国立新美術館でのみ販売(団体料金の適用は20名以上)。
  • チケット取扱い:国立新美術館(開館日のみ)、展覧会ホームページ、セブンチケット(セブンコード:078-911)、ローソンチケット(Lコード:31133)、イープラス、チケットぴあ(Pコード:769-952)ほか各種プレイガイド(手数料がかかる場合があります)

【音声ガイド付き観覧券】(セブンチケットのみで販売)
当日  2,200円(一般)、1,600円(大学生)、1,200円(高校生)
前売  2,000円(一般)、1,400円(大学生)、1,000円(高校生)
※前売券は2019年9月12日(木)~12月3日(火)まで、当日券は2019年12月4日(水)~2020年3月16日(月)まで販売。

  • チケットの詳しい情報は、展覧会ホームページ<https://budapest.exhn.jp>のチケット情報をご覧ください。
  • 会期中に当館で開催中の他の企画展および公募展のチケット、またはサントリー美術館および森美術館(あとろ割対象)で開催中の展覧会チケット(半券可)を提示された方は、本展覧会チケットを100円割引でご購入いただけます。
  • 国立美術館キャンパスメンバーズ加盟の大学等の学生・教職員は本展覧会を団体料金でご覧いただけます。
  • その他の割引などお得な情報はこちら<https://www.nact.jp/information/profit>をご覧ください。
  • 会場での観覧券購入に次のクレジットカードと電子マネー等がご利用いただけます。
    クレジットカード:UC、MasterCard、VISA、JCB、AMEX、Diners Club、DISCOVER
    電子マネー:Suica(スイカ)、PASMO(パスモ)、ICOCA(イコカ)等、iD その他:J-Debit、銀聯
お問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)

ブダペスト国立西洋美術館は、ハンガリーを含むヨーロッパ美術を包括的に収蔵する美術館として1906年に開館しました。コレクションの母体となった作品の多くは、エステルハージ家などハンガリーの貴族に由来するものでした。ハンガリー・ナショナル・ギャラリーは、ハンガリー美術専門の機関として1957年に開設され、それまでブダペスト国立西洋美術館が有していたハンガリー美術が同ギャラリーに段階的に移管されました。しかし、2012年に2館は一つの組織に統合され、収蔵分野の再編が進められています。2019年現在、ブダペスト国立西洋美術館は、エジプトやギリシャ・ローマの古代作品と、中世末期から18世紀末までのヨーロッパとハンガリーの美術品を収蔵。ハンガリー・ナショナル・ギャラリーは、19世紀以降のハンガリー美術を収蔵するほか、19世紀以降の世界各国の美術も展示しています。

展覧会の見どころ

25年ぶりのコレクション展!

ブダペスト国立西洋美術館とハンガリー・ナショナル・ギャラリーの所蔵品展は、日本では1994年を最後に、久しく開催されてきませんでした。2019年は、日本とハンガリー(当時はオーストリア=ハンガリー二重帝国)が1869年に修好通商航海条約に調印し、外交関係を樹立してから150周年の節目の年に当たるため、じつに25年ぶりに両館のコレクション展が実現することになりました。

ルネサンスから20世紀初頭まで、約400年にわたる西洋美術の名品130点が一挙来日!

本展には、16世紀ルネサンスから20世紀初頭のアヴァンギャルドの時代まで、約400年の西洋美術の歴史を彩った絵画・彫刻・素描、全130点が来日します。北方ルネサンスの巨匠ルカス・クラーナハ(父)から、ティツィアーノ、エル・グレコ、ティエポロ、クールベ、モネ、ルノワール、そして20世紀初頭にドイツの前衛芸術を牽引したクルト・シュヴィッタースまで、各時代を代表する作家たちの名品をご覧いただけます。

ハンガリー近代絵画の名作が一堂に!

ハンガリーでは19世紀半ばから20世紀初頭にかけてナショナリズムの機運が強まり、芸術文化活動もきわめて活発に展開されました。本展には、今日ハンガリーで最も愛されている名画《紫のドレスの婦人》を描いたシニェイ・メルシェ・パール、パリを拠点に国際的に活躍したムンカーチ・ミハーイ、ナビ派の大家リップル=ローナイ・ヨージェフ、象徴主義の鬼才チョントヴァーリ・コストカ・ティヴァダル、分離派の巨匠ヴァサリ・ヤーノシュといった、ハンガリー近代美術を代表する画家たちの名画が35点も出品されます。日本ではなかなか目にすることのできないハンガリー近代絵画と出会い、その表現の豊かさ、素晴らしさを発見する、またとない機会となるでしょう。

出品作品紹介

紫のドレスの婦人
シニェイ・メルシェ・パール《紫のドレスの婦人》
1874年、油彩/カンヴァス、ブダペスト、ハンガリー・ナショナル・ギャラリー
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

シニェイ・メルシェ・パールは、19世紀後半から20世紀初頭のハンガリー近代絵画の展開に先駆的な役割を果たした画家です。彼はミュンヘンの美術アカデミーで絵画を学び、パリを訪れたことはなかったにもかかわらず、印象派と関心を同じくする絵画表現を独自に追求しました。その好例が、初期の代表作である《紫のドレスの婦人》です。結婚したばかりの妻ジョーフィアをモデルとして描かれたこの作品は、今日ハンガリーで最も重要かつ魅力的な名画として、広く愛されています。しかし、制作当時は、草木の黄緑色とドレスの紫色の強い対比が不評を招き、その表現の斬新さはほとんど理解されませんでした。
1870年代、パリの印象派の画家たちは、着飾った都会の男女が野外で余暇を楽しむ近代生活の様相を新たな主題として開拓しましたが、驚くべきことに、シニェイ・メルシェは全く独自に同じ試みに取り組んでいたのでした。

不釣り合いなカップル 老人と若い女
ルカス・クラーナハ(父)《不釣り合いなカップル 老人と若い女》
1522年、油彩/ブナ材、ブダペスト国立西洋美術館
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

ドイツ・ルネサンスを代表する画家ルカス・クラーナハ(父)は、ザクセン選帝侯の宮廷画家として名声を博し、大工房を率いて活躍しました。クラーナハがこの作品で描いた年齢差のある男女の組合せ―「不釣り合いなカップル」は、特に16世紀の北方ヨーロッパの風刺文学や絵画で愛好された主題です。年老いた男は、着飾った美しい娘の体に嬉しそうに手を回していますが、彼女が自分の財布に手を入れていることには全く気づいておらず、女性の誘惑の力が強調されています。なお本展では、本作とは反対に、「老女と若い男」を描いたクラーナハの作品も紹介します。2点の《不釣り合いなカップル》の表現や男女の関係性の違いを、ぜひ会場でご覧ください。

聖小ヤコブ(男性の頭部の習作)
エル・グレコ《聖小ヤコブ(男性の頭部の習作)》
1600年頃、油彩/カンヴァス、ブダペスト国立西洋美術館
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

ギリシャのクレタ島出身で、スペインのトレドで活動した巨匠エル・グレコは、神秘的な宗教画のほか、肖像画でも名声を博しました。この作品は、尖った耳や窪んだ目元など、顔立ちの細部が見事に描写されているために、画家の自画像とみなされたこともありました。しかし現在は、キリストの十二使徒を描いた12点組の連作(1585-1595年頃、オビエド、アストゥリアス美術館)における《聖小ヤコブ》の制作過程で、習作として描かれたものと考えられています。水色と灰色が入り混じる幻想的な背景や、絵の内側から輝きを放つような衣服は、エル・グレコならではの大胆で生き生きとした筆使いで描かれています。

トゥルーヴィルの防波堤、干潮
クロード・モネ《トゥルーヴィルの防波堤、干潮》
1870年、油彩/カンヴァス、ブダペスト国立西洋美術館
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

《トゥルーヴィルの防波堤、干潮》は、印象派の描き方を模索し始めた頃のモネの様式をよく伝える重要な作品です。1870年6月にカミーユ・ドンシューと結婚したモネは、ハネムーンで訪れたノルマンディーの海岸の街トゥルーヴィルで夏の数か月を過ごし、浜辺の風景を数多く描きました。本作に描かれているのは、海に流れこむトゥーク川の河口の情景です。防波堤がそびえる岸辺で干潮を利用して釣りをする人々や、いくつかのヨットが見てとれます。モネは、雲に覆われた空と灰色の海面の境界をぼかし、ほぼ一体化して描くことによって、曇天の大気のどんよりした印象を見事に表現しました。また、明るいピンク色を一艘のヨットの帆だけに効果的に用い、画面に精彩を与えています。

フランツ・リストの肖像
ムンカーチ・ミハーイ《フランツ・リストの肖像》
1886年、油彩/カンヴァス、ブダペスト、ハンガリー・ナショナル・ギャラリー
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

ハンガリー近代絵画の巨匠ムンカーチは、1872年からパリで活躍し、大きな成功を収めました。当初は冷徹なレアリスムの風俗画を描いていましたが、1874年に貴族階級の女性と結婚してからは華やかな社交生活を送り、富裕なブルジョワ婦人の生活情景や肖像画も描くようになります。ムンカーチ夫妻は政治家や芸術家を自邸に招き、社交を楽しむのを常としました。彼らの客人には、ハンガリー出身の高名な作曲家でピアニストのフランツ・リスト(ハンガリー語ではリスト・フェレンツ)も含まれていました。リストは1886年3月にパリに滞在した際、ムンカーチ邸で開かれた歓迎の祝宴でピアノを演奏しています。本作品はその頃に描かれたもので、老練な音楽家の威厳あふれる表情と佇まいが見事にとらえられています。この4カ月後、リストは74歳でその生涯を閉じました。

赤ワインを飲む私の父とピアチェク伯父さん
リップル=ローナイ・ヨージェフ《赤ワインを飲む私の父とピアチェク伯父さん》
1907年、油彩/厚紙、ブダペスト、ハンガリー・ナショナル・ギャラリー
©Museum of Fine Arts, Budapest-Hungarian National Gallery, 2019

「ハンガリーのナビ」と称されるリップル=ローナイ・ヨージェフは、ミュンヘンで絵画を学んだのち、1887年から10年以上にわたってパリに暮らし、1901年から主に故国で活動しました。パリ時代の初期にはアール・ヌーヴォー様式に手を染めましたが、次第にナビ派の芸術家たちと活動を共にするようになり、平面的・装飾的なスタイルを身に付けました。帰国後、1902年から1907年までハンガリー西部の故郷の町カポシュヴァールを拠点とした時期には、主に室内の情景を主題とし、強烈な色彩表現を特徴とする絵画を描いています。自身の父と伯父がワイングラスの載ったテーブルを囲む様子を描いた本作は、カポシュヴァール時代の最後の年に描かれました。くっきりと太い線で輪郭が描出されたモティーフは、それぞれ異なる色で平坦に塗り分けられ、激しいコントラストをなしています。

関連イベント

記念講演会「19世紀・20世紀のハンガリー美術」

日時 2019年12月4日(水)14:00-15:30(開場13:30)
会場 国立新美術館 3階講堂
講師 ゲルゲイ・マリアン(ハンガリー・ナショナル・ギャラリー 絵画部門長)
プレスニヴィ・エディド(ハンガリー・ナショナル・ギャラリー 博物館学研究主任)

*ハンガリー語による講演(逐次通訳あり)
*定員260名(先着順)
*聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)の提示が必要です。
*内容や日時は都合により変更となる可能性があります。あらかじめご了承ください。