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アーティスト・ファイル 2015 隣の部屋――日本と韓国の作家たち

  • 開催終了
  • 企画展

展覧会概要

2008年から国立新美術館が開催してきた「アーティスト・ファイル」展は、いまもっとも新鮮で充実した活動を行っている現代美術家を、個展の集合体の形で紹介するグループ展です。このたび、日韓国交正常化50周年の記念すべき節目の年に、アジアを代表する美術館のひとつである韓国国立現代美術館と共同で「アーティスト・ファイル 2015 隣の部屋――日本と韓国の作家たち」展を企画しました。日本と韓国の作家によって構成される本展は、 国立新美術館で立ち上がり、次いで韓国国立現代美術館 (果川館) へ巡回する予定です。「隣の部屋」という副題は、「アーティスト・ファイル」展の従来からの特徴である個展形式を引き継いでいること、日本と韓国が地理的に近しいこと、そして日本と韓国の作家たちの美学と作品の形式が緩やかに呼応していることを暗示しています。

会期 2015年7月29日(水)~10月12日(月・祝)
毎週火曜日休館 ただし、9月22日(火)は開館
開館時間 10:00~18:00 金曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会場 国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
主催 国立新美術館、韓国国立現代美術館
共催 国際交流基金、韓国国際交流財団
後援 外務省、駐日韓国大使館 韓国文化院
協力 日本航空
観覧料(税込)
当日 1,000円(一般)、500円(大学生)
前売/団体 800円(一般)、300円(大学生)
  • 高校生、18歳未満の方(学生証または年齢のわかるものが必要)および障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料。
  • 団体券は国立新美術館でのみ販売。(団体料金の適用は20名以上)
  • 前売券は2015年5月27日(水)から2015年7月28日(火)まで販売。(国立新美術館では2015年5月27日(水)から2015年7月27日(月)まで)
  • 前売券および当日券のチケット取扱場所:国立新美術館、ローソンチケット(Lコード:39067)、イープラス、オンラインチケット、tixee(発券不要のスマートフォンチケット)。※手数料がかかる場合があります。
  • 会期中に当館で開催中の他の企画展および公募展のチケット、またはサントリー美術館および森美術館(あとろ割対象)で開催中の展覧会チケット(半券可)を提示された方は、団体料金が適用されます。
  • 65歳以上の方(年齢がわかるものが必要)は、会期中に当館で開催中の公募展チケット(半券可)の提示で大学生団体料金が適用されます。
  • 国立美術館キャンパスメンバーズ加盟の大学等の学生・教職員は本展覧会を団体料金でご覧いただけます。
  • その他の割引などお得な情報はこちらをご覧ください。
  • 会場での観覧券購入に次のクレジットカードと電子マネー等がご利用いただけます。 クレジットカード:UC、MasterCard、VISA、JCB、AMEX、Diners Club、DISCOVER、電子マネー:Suica(スイカ)、PASMO(パスモ)、ICOCA(イコカ)等、iD その他:J-Debit、銀聯
巡回情報 2015年11月10日(火)~2016年2月14日(日)  韓国国立現代美術館(果川館)
お問い合わせ ハローダイヤル 03-5777-8600

展覧会の見どころ

「アーティスト・ファイル」展とは

2008年、2009年、2010年、2011年、2013年と、これまで継続的に過去5回にわたって国立新美術館が企画してきた現代美術家を紹介する展覧会です。広大な面積の展示室を有効に利用して、個展の集合という形式で活動的な作家たちを紹介してきました。2年ぶりの開催となる本展は、国立新美術館と韓国国立現代美術館の担当学芸員が綿密な調査をもとにして日本と韓国の作家を選定しました。

韓国国立現代美術館

韓国国立現代美術館は、果川館、徳寿宮館に加えて、2013年にはソウル中心部にソウル館を開館しています。ソウルの新館開館を契機として、韓国国立現代美術館はこれまで以上に、韓国ならびにアジアにおける美術館のなかでも中心的な役割を果たしていくこととなるでしょう。「アーティスト・ファイル 2015」展は、まず国立新美術館で立ち上がり、次いで韓国国立現代美術館(果川館)へ巡回する予定です。

日本と韓国の作家たち

本展には、それぞれの国で際立った活動を行っている日本から6名と韓国から6名の合計12名の現代美術家が参加します。彼らの表現形式は、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションなどきわめて多彩です。また、年齢の制限をもうけることなく、「アーティスト・ファイル」というタイトルが示すようにフラットな視点で、すでに国際的に高い評価を受けている作家から、頭角を現しつつある作家まで幅広く紹介します。

隣の部屋

今回の「アーティスト・ファイル2015」展には、「隣の部屋――日本と韓国の作家たち」という副題がつけられています。これは、日本と韓国という国が、地理的にもその他の様々な点においても近しい存在であることを暗示していると同時に、日本と韓国でお互いの存在を知ることのなかった作家たちの美学が互いに反響していること示唆しています。事実、出品作家のほとんどは、お互いの国で作品を発表するのは今回が初めてです。

展覧会カタログとアーティストのアーカイブ

「アーティスト・ファイル」展は作品展示だけでなく、出品作家に関する情報を文字通りファイリングすることを重要な目的のひとつとしています。詳細な略歴と文献目録を含む展覧会カタログは、日本語・韓国語・英語の三か国語によって構成されます。また、作家に関する情報を展覧会終了後も収集しており、これまでに40名の作家がアーカイブされています。

「出展アーティストへのインタビュー映像を公開

本展に出展するアーティスト12名を国立新美術館へお迎えし、インタビューを行ないました。(下記をクリック)
映像内の各アーティストの登場時間の登場時間は次のとおりです。
0:00イム・フンスン、4:56キ・スルギ、10:44小林耕平、15:43イ・ヘイン、20:57イ・ソンミ、26:17イ・ウォノ、30:43南川史門、37:04百瀬文、42:01手塚愛子、46:57冨井大裕、51:51ヤン・ジョンウク、57:05
横溝静映像内の作品写真のキャプションは、 こちらをご覧ください。

出品作家

イム・フンスン
??? IM Heungsoon (b.1969-)
ソウルに生まれる。現在、ソウル在住。
イム・フンスンは、韓国の歴史を個人の生と視点から映像を用いて表現します。「公共美術プロジェクト」では、地域住民とプロジェクトチームをつくり、社会における移住と都市生活の問題を扱いました。また、韓国現代史の悲劇の舞台であるにもかかわらず、現在ではきれいな観光地にかわっている済州島で、生存者の痛みを伝えるインタビューを撮影し、美しい風景で構成された《スンシ》を発表しています。《済州島の祈り人》や《危路工団》では、ドキュメンタリー映画の領域にも関心をひろげ、より積極的に大衆と関わろうとしています。現在は、主題をアジアに拡大した《還生》を制作中で、韓国と日本、ベトナムなど近現代の歴史の中で生じた個人の生の連環を探っています。
キ・スルギ
??? KI Seulki (b. 1983-)
ソウルに生まれる。現在、ソウル在住。
キ・スルギは、感情や知覚といった内面の動きや、目に見えない事象を認識する方法に深い関心を寄せてきました。そして、写真や映像、インスタレーションといった多様な媒体を用いて、水、色、光といった形のないものや、特定の空間のなかで呼び起こされる微妙な感情などを可視化しています。作品は、平面と立体、部分と全体、親密さと疎外感など、対照的な要素による緊張感に溢れ、独特の魅力を醸し出しています。またしばしば、作家の身体の一部が断片として、あるいは突然介入してきた運動の痕跡として作品に残されることにより、場面に動きが生じ、観者の想像力が掻き立てられます。
小林耕平
KOBAYASHI Kohei (b. 1974-)
東京に生まれる。現在、埼玉在住。
小林耕平は、主に映像を用いた作品でよく知られています。近年の映像作品には、ホームセンターで買った既製品とともに、しばしば作家の小林本人が登場します。小林はそこで、既製品が置かれるべき場所を微妙にずらし、一見したところ何の脈絡もないような振る舞いを見せます。そうすることで、既製品に与えられている文脈やそれらが作られた意図など、日常では気づかないこれらの深層が同時に立ち上がるかのような経験を観者に促します。また、他者に発注したテキストを脚本として、小林と出演者との対話形式で進行する映像作品や、ダンサーや振付家と共同制作したパフォーマンスも精力的に発表しています。
イ・ヘイン
??? LEE Hyein (b.1981-)
京畿道高陽に生まれる。現在、京畿道高陽在住。
イ・ヘインは、様々な場所で実際に生活をしながら創作を行っています。自身がすごした場所での経験や感情を、「野外写生」による絵画、ドローイング、映像、インスタレーションなど多様なメディアを利用して立体的に表現します。絵画は依然として、世界を観察し記録する媒体としてイ・ヘインの制作の中心を占めています。しかしながら、現実の生活と自然空間にたいする彼女の感性は、暗い空間の片隅で絵を描いたり、テントの中からみえる外の風景を描くという、意外な方法によって立ち現れます。展示空間においても、作家は小さな壁面や空間の隅のあちこちに作品を設置することで、見慣れないにも関わらず深い余韻を残す写生世界へと私たちを招き入れるかのようです。
イ・ソンミ
??? LEE Sungmi (b.1977-)
ソウルに生まれる。現在、ソウル在住。
イ・ソンミは、事故によって割れて道に散らばった車のガラス片や、透明で可変性のある捨てられた物を素材に、私たちの日常に存在する「不安」を深淵な現象として作品化します。不幸の痕跡をもつこのような素材は、何かの修行のように丁寧に繰り返される作家の手作業によって、美しく透明なオブジェへと生まれかわります。制作過程において、素材は非常に機械的かつ人為的に扱われているようにもみえますが、このような反復行為は素材自体のもつ性質をそのままあらわすための方法です。作家自身によって選ばれた不幸な素材は、作品化されることで心の深いところに存在する何かとつながり、視覚表現として結実しています。
イ・ウォノ
??? LEE Wonho (b. 1972-)
全羅南道順天に生まれる。現在、ソウル在住。
イ・ウォノは、私たちの日常生活における物事や空間にたいする考えを基盤にして、それをとりまく概念を解体し、まったく別次元の状況として提示する制作を行ってきました。運動場の白線をすべてとりのぞき、その白線だけで「ホワイトフィールド」をつくったり、はじめから受取人のいない手紙を郵送し、宛先不明で返送される過程を封筒の中に入れた録音機で記録したりします。このような社会的規則や通念、常識を覆すような過程をとおして、イ・ウォノは私たちに周囲の物事にたいする新たな態度、世界の裏面を理解するためのもうひとつの観点を提示します。
南川史門
MINAMIKAWA Shimon (b. 1972-)
東京に生まれる。現在、ニューヨークおよびベルリン在住。
南川史門は、現在に至るまで一貫して、従来的な絵画の形式から逸脱するような作品を制作してきました。淡い色彩を用いて描かれたポートレート(肖像画) から、鮮明な蛍光色を用いた抽象絵画、あるいはイーゼルそのものに着色する「看板」のシリーズに至るまで、南川の作品はひとつの形式に限定されません。そして、これら異質な作品を複数同時に並べることで、各々の作品に与えられた意味が組み替えられ、展示空間そのものがひとつの作品であるかのように立ち現れます。近年では、パフォーマンスアーティストとのコラボレーションプロジェクトなども行っており、多岐にわたる芸術ジャンルを横断しつつ制作しています。
百瀬文
MOMOSE Aya (b. 1988-)
東京に生まれる。現在、東京在住。
百瀬文は、デジタル映像が氾濫する今日の社会を背景に、映像とは何かを問い、映像を見るという行為や経験に再考を促します。パフォーマンスを記録するために撮影し始めたという百瀬の映像作品において、身体と声は重要な要素です。予想した展開から大きく逸脱して進む百瀬の映像では、口の動きと音声が奇妙にずらされたり、発話が本来の文脈から切り離されたりします。これによって、他者との関係やコミュニケーションに揺らぎが生じ、撮影という行為の暴力性や倫理性が暴露されるのです。百瀬が作品に加えた巧妙な操作は、私たちに驚きと困惑を与えるだけでなく、映像という媒体が孕む不気味な力を露にしています。
手塚愛子
TEZUKA Aiko (b. 1976-)
東京に生まれる。現在、ベルリン在住。
手塚愛子は、既成の織物を解きほぐした造形作品で知られており、それはしばしば崇高の感覚を引き起こします。この手法を用いる契機となったのは、手塚が大学在学中に絵画の支持体であるカンヴァスに刺繍を施す作品を発表し始めたときです。それ以降、手塚の作品は、油彩画から織物を用いた造形物へと移行しました。織物の本来的な構造は、二次元とも三次元とも考えられますし、またその可変性によって姿かたちを自由に変形させることができます。近年の手塚は、織物という素材の可能性を限りなく拡張しつつ、そこに象徴的な記号を取り入れることで、新たなイメージの層を加えることを試みています。
冨井大裕
TOMII Motohiro (b. 1973-)
新潟に生まれる。現在、東京およびニューヨーク在住。
大学院で彫刻を専攻していた冨井大裕は、階段、家、本、そして人物といった、身の回りにあるモティーフを縮小した石膏作品や、パテによる小さな人のかたちを変形させた彫刻作品の制作を始めます。そこから冨井は、場所、台座、彫刻という三者の関係を問い直し、作品の置かれる環境のあり方に関心を強めていきます。冨井の作品には、画鋲、スーパーボール、鉛筆、ファイル、ふせんといった、既製品が頻繁に用いられています。冨井は、これら日用品に与えられている機能よりもむしろ、日用品の造形そのものを重要な要素としています。また、近年では指示書による彫刻の制作や、写真によって日常風景から彫刻を抽出する試みも続けています。
ヤン・ジョンウク
??? YANG Junguk (b. 1982-)
ソウルに生まれる。現在、ソウル在住。
ヤン・ジョンウクは、観察と経験をもとにして、ある日常の断想をテキストと動く彫刻によって表現する作家です。彼はまず、生活の中で見いだされる些細な感情や直感的な思いを、短い詩や文章、短編小説などのテキストにおこし、つぎにテキストに共感覚的に対応する動く構造物をつくります。限りなく手工芸的な方法によって制作されるこの彫刻には、単純かつ有機的な作動原理がそのまま露出しており、光と影、音、反復メカニズムといった要素が詩的な感性を刺激します。
横溝静
YOKOMIZO Shizuka (b. 1966-)
東京に生まれる。現在、ロンドン在住。
横溝静は、写真の特性を効果的に用いて、被写体となった人物とのさまざまな関係を問うてきました。眠る友人を寝室の闇に捉えた「Sleeping」の親密さは、見知らぬ誰かに手紙を書き、言葉を交わすことなく撮影した「Stranger」の唐突な出会いと対照的です。横溝は、作品のテーマに合わせて媒体を採択してきました。それは、演奏する老ピアニストを捉えた映像作品《Forever (and again)》が、「時間」をテーマにしていることにも明らかです。近年横溝は、幻想のイメージが現実と交差する娼婦の身体に着目した写真シリーズ「all」を契機に、イメージとは何かという文化人類学的な課題について思索を深めています。

関連イベント

六本木アートナイト2015プログラム

「アーティスト・ファイル2015」展予告映像公開

2015年7月からの「アーティスト・ファイル2015」展開催に先駆け、展覧会予告映像を公開します。これをみれば、展覧会の開催が楽しみになること間違いなし。六本木アートナイトのための特別映像に、どうぞご期待ください。

日時 4月25日(土)10:00~22:00
4月26日(日)10:00~18:00
場所 国立新美術館 ①館内 ②乃木坂駅直結通路
観覧料 無料

アーティスト・トーク

アーティスト・トークでは、作家自らが出品作について語ります。
(事前申込み不要、韓国語から日本語への逐次通訳あり。)

作家 南川史門、イ・ヘイン
日時 7月29日(水)14:00~16:00
会場 企画展示室2E(集合場所は展覧会会場入口)
※参加無料ですが、展示室に入る際に本展の観覧券が必要です。
作家 冨井大裕、イ・ソンミ
日時 7月30日(木)14:00~16:00
会場 企画展示室2E(集合場所は展覧会会場入口)
※参加無料ですが、展示室に入る際に本展の観覧券が必要です。
作家 百瀬文、イム・フンスン
日時 7月31日(金)17:30~19:00(開場17:00)
会場 国立新美術館3階講堂
定員 250名(先着順)
※参加無料ですが、展示室に入る際に本展の観覧券が必要です。
作家 横溝静、キ・スルギ
日時 8月1日(土)14:00~16:00
会場 企画展示室2E(集合場所は展覧会会場入口)
※参加無料ですが、展示室に入る際に本展の観覧券が必要です。
作家 手塚愛子、イ・ウォノ
日時 10月10日(土)14:00~16:00
会場 企画展示室2E(集合場所は展覧会会場入口)
※参加無料ですが、展示室に入る際に本展の観覧券が必要です。

パフォーマンス

荒川医と南川史門「三角木馬の夕べ」
日時 8月2日(日)16:00~16:45
場所 国立新美術館1階ロビー
※参加無料、申し込み不要

公開撮影

小林耕平《台詞に身体を与える》
小林耕平による映像作品の公開撮影を行います。この日に撮影された映像は、後日HP上で公開いたします。
日時 9月27日(日)15:00~17:00
会場 企画展示室2E(小林耕平展示室)
構成 小林耕平
台詞 伊藤亜紗(美学)
出演 神村恵(ダンサー、振付家)、福留麻里(ダンサー、振付 家)、山形育弘(core of bells)
撮影 渡邉寿岳
※公開撮影の見学は無料ですが、展示室に入る際に本展の観覧券が必要です。

ワークショップ

ヤン・ジョンウク「かたちにして見る、わたしの考え ~Made in Mind~」
日時 10月11日(日)13:00~17:00
会場 国立新美術館3階講堂ほか
※要事前申し込み

取材に関するお問い合わせ

国立新美術館 広報担当:桐生、菊池、汐崎
〒106-8558 港区六本木7-22-2
Tel: 03-6812-9925 Fax: 03-3405-2531
E-mail: pr@nact.jp

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