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テート美術館 - YBA&BEYOND 世界を変えた90s 英国アート

YBA&BEYOND: British Art in the 90s from the Tate Collection

2026年2月11日(水・祝) ~ 2026年5月11日(月)

  • 開催中
  • 企画展

本展は、1980年代後半から2000年代初頭にかけて制作された英国美術に焦点を当てる企画です。サッチャー政権時代(1979-90年)を経験して緊張感漂う英国社会では、既存の美術の枠組みを問い、作品の制作や発表において実験的な試みをする作家たちが数多く登場しました。当時「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」と呼ばれた作家たち、そして、彼らと同時代のアーティストたちは、大衆文化、個人的な物語や社会構造の変化などをテーマとし、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションなど多様な手法を用いて独創的な作品を発表してきました。約60名の作家によるおよそ100点の作品を通じて、90年代の英国美術の革新的な創作の軌跡を検証します。

展覧会ホームページ

開催概要

会期
2026年2月11日(水・祝) ~ 2026年5月11日(月)

休館日:毎週火曜日
*ただし2026年5月5日(火・祝)は開館

開館時間

10:00~18:00
毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで

会場

国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2

主催

国立新美術館、テート美術館、ソニー・ミュージックエンタテインメント、朝日新聞社

協賛
バーバリー

協力
日本航空、ヤマト運輸

後援
ブリティッシュ・カウンシル、J-WAVE

お問合せ

050-5541-8600(ハローダイヤル)

チケット・観覧料

前売 4,870円(トートバッグ付)、2,100円(一般)、1,300円(大学生)、700円(高校生)
当日 2,300円(一般)、1,500円(大学生)、900円(高校生)

チケット取扱い
・オンライン
 前売券販売期間:12月4日(木)10:00~2月10日(火)23:59
 当日券販売期間:2月11日(水・祝)~5月11日(月)
 販売サイト:e+(イープラス)

・当日窓口
 販売期間:2月11日(水・祝)~5月11日(月)
 販売場所:国立新美術館チケット売り場

オンラインチケットを購入する[e+(イープラス)]

YBAとは

1988年8月、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジで学んでいたダミアン・ハーストは、ロンドン東部の倉庫街で学生や卒業生の作品を発表する展覧会「フリーズ」展を企画しました。ハーストや同世代の作家たちは、全く新しい視点で素材を選び、制作し、発表の機会を積極的に開拓していったのです。1992年に『アート・フォーラム』誌上で美術史家のマイケル・コリスは彼らを「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」と呼び、サーチ・ギャラリーで開催された同名の展覧会によりYBAという言葉は一般に広がっていきました。YBAの作家たちの自由な活動によって、90年代の英国のアートシーンは世界的な注目を集めるようになったのです。

みどころ

英国美術の世界的中心地テート発の“UK90's”展
テート美術館が自ら編んだ、YBAと90年代英国アートの決定版。

伝説のスターアーティストの競演
ダミアン・ハースト、ジュリアン・オピー、ルベイナ・ヒミド、スティーヴ・マックイーン、トレイシー・エミン、ヴォルフガング・ティルマンスなど、世界のアート史に名を刻むアーティストの作品が集結。

音楽×サブカル×ファッションの熱狂と呼応するアート
UKカルチャーが溢れた黄金期の息吹。90年代の英国で起こったアート、音楽、ファッションの革命的ムーブメントの核心を体験できる、唯一無二の展覧会です。

出品作家

サラ・エインズリー、フランシス・ベーコン、リチャード・ビリンガム、スタパ・ビスワス、ブラック・オーディオ・フィルム・コレクティヴ、ヘンリー・ボンド、クリスティン・ボーランド、アンジェラ・ブロック、ヘレン・チャドウィック、ディノス・チャップマン、ジェイク・チャップマン、マット・コリショウ、キース・コヴェントリー、マイケル・クレイグ=マーティン、マーティン・クリード、ジェレミー・デラー、キャシー・ド・モンショー、トレイシー・エミン、シール・フロイヤー、マーク・フランシス、アニャ・ガラッチョ、ギルバート&ジョージ、リアム・ギリック、ダグラス・ゴードン、ルーシー・ガニング、リチャード・ハミルトン、モナ・ハトゥム、ルベイナ・ヒミド、ダミアン・ハースト、ゲイリー・ヒューム、デレク・ジャーマン、サラ・ジョーンズ、アニッシュ・カプーア、ジム・ランビー、マイケル・ランディ、マーク・レッキー、サラ・ルーカス、スティーヴ・マックイーン、リサ・ミルロイ、シーマス・ニコルソン、クリス・オフィリ、ジュリアン・オピー、コーネリア・パーカー、サイモン・パターソン、グレイソン・ペリー、スティーヴン・ピピン、マーク・クイン、ジュリー・ロバーツ、デイヴィッド・ロビリヤード、ジョニー・シャンド・キッド、デイヴィッド・シュリグリー、ジョージナ・スター、ヴォルフガング・ティルマンス、ギャヴィン・ターク、マーク・ウォリンジャー、ジリアン・ウェアリング、レイチェル・ホワイトリード、エリザベス・ライト
※姓アルファベット順

作品リスト

本展の構成

本展は、90年代の英国美術の独自性を6つのテーマを通じて検証し、各章をつなぐ重要な作品を「スポットライト」 として紹介します。

序章 フランシス・ベーコンからブリットポップへ

第1章 ブロークン・イングリッシュ:ニュー・ジェネレーションの登場

スポットライト ブラック・オーディオ・フィルム・コレクティヴ《ハンズワースの歌》 
※「各章の概要」に上映時刻を掲載しております。

第2章 おおぐま座:都市のイメージをつなぐ

第3章 あの瞬間ときを共有する:音楽、サブカルチャー、ファッション

スポットライト トレイシー・エミン《なぜ私はダンサーにならなかったのか》

第4章 現代医学

スポットライト  スティーヴ・マックイーン《熊》

第5章 家という個人的空間

スポットライト コーネリア・パーカー《コールド・ダーク・マター:爆発の分解イメージ》

第6章 なんでもないものから何かが生まれる:身近にあるもの

スポットライト マーク・ウォリンジャー《王国への入り口》

各章の概要

序章 フランシス・ベーコンからブリットポップへ

フランシス・ベーコンは、1944年に《ある磔刑の基部にいる人物像のための三部作》(テート美術館蔵)を描き、発表当時戦争の恐怖を映すものとして衝撃をもって受け止められました。その44年後に描いた《1944年のトリプティク(三幅対)の第2ヴァージョン》でベーコンは同じ主題に向き合い、背景の色をオレンジから血液を思わせる濃厚な赤に変更しました。東西冷戦が終焉を迎える時代に描かれた本作品は、社会の変化と混迷を象徴的に示しています。

★「ブリットポップ」とは、1990年代半ばの英国で興隆したギター・ロック/ポップ音楽ムーブメントで、90年代の英国における若者文化や社会意識を象徴する言葉です。

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フランシス・ベーコン《1944年のトリプティク(三幅対)の第2ヴァージョン》1988年、油彩、アクリル/カンヴァス3枚、各198 × 147.5 cm
「テート美術館 - YBA&BEYOND 世界を変えた90s 英国アート」国立新美術館 2026年 展示風景 
Photo: Osamu Sakamoto

第1章 ブロークン・イングリッシュ:ニュー・ジェネレーションの登場

1980年代後半、英国社会には揺らぎの感情が広がっていました。1979年より続いていたサッチャー政権が推進した自由市場経済と個人主義に基づく英国社会の再建の中で、格差が拡大し、失業率が高まりました。こうした状況の中、アートシーンに登場した作家たちは、マスメディアや大衆文化に想を得ながら「英国らしさ」を鋭く批評する視点を表明したのです。

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ダミアン・ハースト《後天的な回避不能》1991年、ガラス、鉄、シリコンゴム、フォーマイカ、ファイバーボード、椅子、灰皿、ライター、煙草、213.4 × 304.8 × 213.4 cm
「テート美術館 - YBA&BEYOND 世界を変えた90s 英国アート」国立新美術館 2026年 展示風景 
Photo: Osamu Sakamoto

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ルベイナ・ヒミド《二人の間で私の心はバランスをとる》1991年、アクリル/カンヴァス、121.8 × 152.4 × 2.7 cm
Photo: Tate © Lubaina Himid. Courtesy Hollybush Gardens and Greene Naftali

スポットライト ハンズワースの歌

本作品は、黒人のコミュニティに対する不当な扱いを背景として1985年にバーミンガムのハンズワース地区で発生した暴動をきっかけに制作され、文化系番組で知られる英国のテレビ局チャンネル4の連続特集の一環として放映されました。それは、音と映像を重層的に組み合わせ、ドキュメンタリーと実験映画の手法が融合する映像詩であり、見る者に多様な理解と想像を促します。

※※本作品は、以下の時刻に上映いたします。(上映時間:61分)※※

【月・水・木・日曜日】10:20/11:30/12:40/13:50/15:00/16:10
【金・土曜日】10:20/11:30/12:40/13:50/15:00/16:10/17:20/18:30

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ブラック・オーディオ・フィルム・コレクティヴ(ジョン・アコムフラ、リース・オーギスト、エドワード・ジョージ、リナ・ゴポール、アヴリル・ジョンソン、デイヴィッド・ローソン、トレヴァー・マティソン)
《ハンズワースの歌》1986年、16ミリフィルム、またはビデオ、プロジェクション、カラー、サウンド(モノラル)、61分
© Smoking Dogs Films; Courtesy Smoking Dogs Films and Lisson Gallery

第2章 おおぐま座:都市のイメージをつなぐ

1990年代初頭には未完成の建築物が目立ち、また、ジェントリフィケーション(都市の富裕化現象)により行き場を失う人が増加しました。それは若いアーティストたちにとって身近な光景であり、創作の着想源となっていったのです。

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サイモン・パターソン《おおぐま座》1992年、リトグラフ/紙、102.7 × 128 cm
Photo: Tate © Simon Patterson and Transport for London

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レイチェル・ホワイトリード《 A:クラプトン・パーク・エステート、マンデヴィル通り、ロンドンE5;アンバーゲート・コート;ノーバリー・コート、1993年10月》1996年、スクリーンプリント/紙、49 × 74.3 cm
Photo: Tate © Rachel Whiteread

第3章 あの瞬間ときを共有する:音楽、サブカルチャー、ファッション

格差が広がり、不安感が漂う時代において、雑誌や広告のヴィジュアル面での雑多性と訴求力、音楽の解放感、アイデンティティを表現する服飾文化の多様性は、かけがえのない一瞬を捉えようとする若いアーティストたちの意思や社会的なつながりに対する関心と交差し、その関係は1990年代における英国美術の国際的発信力の源となりました。

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ジェレミー・デラー《世界の歴史》1997–2004年、グラファイト、アクリル/壁、サイズ可変
Photo: Tate © Jeremy Deller

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マーク・レッキー《フィオルッチは私をハードコアにした》1999年、ヴィデオ、プロジェクション、カラー、サウンド、展示サイズ可変、14分45秒
© Mark Leckey. Courtesy the artist and Cabinet, London

スポットライト なぜ私はダンサーにならなかったのか

本作品は、作家の告白と共に語られるビデオ作品です。映像の前半ではエミンが育った海辺のリゾート地マーゲイトの風景が映し出され、彼女は1970年代後半にティーンエイジャーだった頃の苦しみを語っています。そして、作品の後半ではエミンはディスコ・ソングに合わせて楽しそうに踊り出します。それは、過去の苦い経験への勝利を示しているのです。

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トレイシー・エミン《なぜ私はダンサーにならなかったのか》1995年、スーパー8ミリフィルムをヴィデオに変換、プロジェクション、カラー、サウンド(モノラル)、6分32秒
© Tracey Emin

第4章 現代医学

1990年代の作家たちにとって、医学の発展とヘルスケアは大きな関心事の一つでした。薬への信頼と副作用、身体へのコントロールが行われる医療現場もアーティストたちの主題となっていきました。そして、HIVの感染拡大とエイズによる死者の増加は、一つの病の流行の枠組みを超え、人々の間に恐怖、怒り、抵抗の感情を生み出し、多くの作家たちがこの病との関係から作品を制作しました。

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デレク・ジャーマン《運動失調―エイズは楽しい》1993年、油彩/カンヴァス、251.5 × 179 × 3.6 cm
Photo: Tate © The estate of Derek Jarman. Courtesy of The Keith Collins Will Trust

スポットライト 熊

スティーヴ・マックイーンの初期の代表作《熊》は、一切の音を排した白黒の映像作品です。展示の度に大きなスクリーンと外界の光を遮断する空間が用意され、そうした仕掛けは観客を作品世界に没入する参加者の一人に位置づけます。画面上では、二人の裸の黒人男性(そのうち一人は作者自身)が、揺れ動きながらじゃれ合い、互いに挑発し、戯れと攻撃の境界の曖昧な行為が展開されます。人間の肉体の動きにダイナミックに迫るモノクロームの映像は、人種、同性愛の欲望、暴力といった問題を見る者に喚起します。

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スティーヴ・マックイーン《熊》1993年、16ミリ白黒フィルムをヴィデオに変換、サウンドなし、9分2秒
© Steve McQueen. Courtesy the artist, Thomas Dane Gallery and Marian Goodman Gallery

第5章 家という個人的空間

私的な空間を政治的な場と捉えた作家たちにとって、家族関係や個人のアイデンティティも考察すべき重要な問題であり、家庭の風景に潜む暴力や人間関係のひずみ、そして家父長制が個人を抑圧するジェンダーバイアスに正面から向き合う作品は、現代の私たちにも強い共感と深い内省を促すものとして存在しています。

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グレイソン・ペリー《私の神々》1994年、陶器、40 × 34.5 × 33 cm
© Grayson Perry. Courtesy the artist and Victoria Miro

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サラ・ルーカス《煙草のおっぱい(理想化された喫煙者の椅子Ⅱ)》1999年、椅子、ボール、煙草、ブラジャー、78.7 × 49.5 × 52.7 cm
© Sarah Lucas. Courtesy Sadie Coles HQ, London

スポットライト コールド・ダーク・マター:爆発の分解イメージ

本作品は、食器や楽器、レンガといった日常的に目にするものを大量に集め、時に変形させ、天井から吊るす彫刻作品で知られるコーネリア・パーカーの初期の代表作です。作品制作にあたり、作家は英国陸軍に物置小屋を爆破することを依頼しました。その残骸を一つ一つ拾い上げ、照明を落とした密閉された空間の天井から紐で吊るし、中央に強い光を放つ電球を設置しました。このプロセスによって、小屋の断片は空間に浮遊しているように見え、爆発の瞬間を切り取ったかのようなイメージが作り出されるのです。

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コーネリア・パーカー《コールド・ダーク・マター:爆発の分解イメージ》1991年、木材、金属、プラスチック、陶、紙、布、ワイヤー、おおよその展示サイズ:400 × 500 × 500 cm
Photo: © Tate © Cornelia Parker. Courtesy Frith Street Gallery

第6章 なんでもないものから何かが生まれる:身近にあるもの

1990年代の多くのアーティストは物質文化に強い関心を持ち、日常生活で目にする脆弱で儚いものを作品の素材として積極的に取り入れました。こうした取り組みは、1980年代までのコンセプチュアル・アートがミニマルでスケールの大きなものに注目したことに対する反動でもあったのです。

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マイケル・クレイグ=マーティン《知ること》1996年、アクリル/カンヴァス、244.2 × 366.5 cm
© Michael Craig-Martin. Courtesy the artist and Gagosian

スポットライト 王国への入り口

ロンドン・シティ空港の到着ゲートをスローモーションで捉えた本作品では、イタリア・ルネサンス期の作曲家グレゴリオ・アレグリが旧約聖書詩篇第51篇をもとに作曲した合唱曲「ミゼレーレ」が背景の音楽として選ばれています。作家は、空港を国境に接する地帯、かつ現実世界の王国(英国)への入り口として捉え、その場所の持つ政治的、または象徴的な意味を浮き彫りにします。

関連図書

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