国立新美術館 連続講座:今、絵画について考える
第4回「絵画と全方位―地球/惑星を描く」
- 開催終了
- 申込終了
- 講演会・シンポジウム
- 一般
2022年、国立新美術館では、「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」を皮切りに、「ダミアン・ハースト 桜」展、「ルートヴィヒ美術館展 20 世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション」、「李禹煥」展と、15世紀イタリア・ルネサンスから今日に至るまでの多様なジャンルの絵画を紹介する展覧会が集結します。
そこで、本連続講座では、今日の美術史研究・美術批評を牽引するゲスト講師を招き、開催中の展覧会に関連しながら、様々な視座から絵画について深く問い直すための、全4回の連続講座を開催します。
第4回(最終回)となる今回は、近現代美術を対象に鋭い論評を執筆されている美術批評家の沢山遼氏を講師に迎えます。「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション」の出品作を事例に、絵画と方位(方向性と脱方向性)の問題を取り上げます。
開催概要
- 開催日
- 時間
13:30~15:00(13:00開場)
- 会場
国立新美術館 3階講堂
- 対象
-
一般
どなたでもご参加いただけます。特に美術に関する学術分野(美学・美術史学・芸術学・芸術批評など)に関心のある方、絵画制作に関心のある方、画家・アーティスト、絵画について深く考えたい方など
- 参加方法
オンラインによるお申込みとなります。参加を希望される方は、下記URLからご登録ください。
https://forms.office.com/r/bhqsJgjQt2【申込締切:9月7日(水)23:59】
【申込締切:9月14日(水)23:59】 募集終了しました
※応募者多数の場合は、抽選で参加者を決定いたします。参加の可否については、9月15日(木)以降にEメールでお知らせいたします。
※第1回締切(9月7日)までにご応募いただいた方は全員ご参加いただけます。9月15日(木)以降に再度Eメールで当日のご案内をお送りいたします。
※申込フォームを送信すると、記入されたメールアドレスに確認メールが届きます。しばらく経っても確認メールが届かない場合は、メールアドレスが間違っているか、迷惑メールに振り分けられている可能性がございます。再度ご確認の上、改めてフォームを送信ください。不明点がございましたら、下記のハローダイヤルまでお問合せください。
※必要事項に記入漏れがある場合、受付をお断りすることがあります。
※申し込み時にご記入いただいた個人情報を、本プログラム実施以外の目的で使用することは一切ありません。
※本イベントの記録写真を、活動報告や広報の目的で公開する場合がありますので、あらかじめご了承ください。- 定員
100名 ※参加には事前申込が必要です。(応募者多数の場合は抽選)
- 料金
無料
※ただし「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション」のチケットのご購入が証明できる半券・2次元コードをご用意下さい。
展覧会チケットのご購入はこちら https://www.e-tix.jp/ludwig/- お問合せ
TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
イベント内容
講演概要
絵画には、なんらかの対象だけではなく、その対象を位置付ける方向性が描かれています。たとえば地面は下方に、人物は中心に、空は上方に描かれる、というように。しかし、惑星的な規模での芸術の改革に着手することを企図した芸術家たちは、地上に縛り付けられた従来の絵画の方向を解体し、全方位的な絵画空間をつくりあげようとしました。この観点からすれば、抽象芸術(非対象芸術)を考える上では、イメージの抽象性よりも、むしろ方位の解体=全方位性の確立という構造こそが無視し得ないものになります。本講座では、マレーヴィチ、タトリン、ロトチェンコ、ポロック、アルバース、ラウシェンバーグなどの事例をもとに、方位の解体がもたらした新たな絵画空間のあり方を探ります。
13:30-13:35 開会挨拶
13:35-14:25 講師による講演
14:25-15:00 講師と当館展覧会担当研究員との対話+会場からの質疑応答
※オンラインでのライブ配信およびアーカイブ配信はございません。
※本イベント終了後に、「六本木アートナイト2022」に出品される今井俊介氏と沢山遼氏のクロストークが16:00から開催されます。(先着順、申込不要、内容についてはこちら)
出演者
沢山遼(さわやまりょう)氏
近現代美術/美術批評
1982年岡山県生まれ。
武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了。
2009年「レイバー・ワーク――カール・アンドレにおける制作の概念」で『美術手帖』第14回芸術評論募集第一席。著書に『絵画の力学』(書肆侃侃房、2020)、主な共著に『現代アート10講』(田中正之編著、武蔵野美術大学出版局、2017)などがある。
シリーズ紹介
「連続講座:今、絵画について考える」とは
今日一般の美術愛好家をターゲットとした美術関連書籍は数多く出版され、教養として絵画の「知識」を得ることは難しくありません。しかし実際の絵画を目の前にして、その作品を批判的に分析し、能動的に思考することは未だ困難だと言えるでしょう。
例えば、私たちは絵画を見るとき、画面を構成する筆致のひとつひとつにまで注目しているでしょうか。その作品が持つ社会的・思想的背景には、どのようにアプローチすればよいでしょうか。美学や美術史についての「知識」は、目の前の作品の鑑賞にどのように生かせるのでしょうか。さらには、過去に描かれた絵画を見ながら、そこに現代の作品との繋がりを見出し、絵画の普遍性について考えることはできるでしょうか。
「連続講座:今、絵画について考える」は、こうした様々な問いかけについて、講座を通して考えることで、絵画のみならず芸術一般の本質に迫るためのシリーズです。