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ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄

  • 開催終了
  • 企画展

展覧会概要

この度、パリのルーヴル美術館のコレクションから厳選された83点を通して、16 世紀から19 世紀半ばまでのヨーロッパ風俗画の展開をたどる「ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」を開催いたします。 「風俗画」とは、人々の日常生活の情景を描いた絵画です。そこには、家事にいそしむ召使い、物乞いの少年、つましい食卓につく農民の家族、庭園に集う貴族の男女など、身分や職業を異にする様々な人々の日常がいきいきと描写されています。一方で、風俗画には必ずしもありのままの現実が描かれているわけではありません。日常の装いのなかに、複雑な道徳的・教訓的な意味が込められていることもあります。これらを読み解いていくことも、風俗画ならではの楽しみといえます。 本展には、17世紀オランダを代表する画家、フェルメールの傑作《天文学者》が初来日するほか、ティツィアーノ、レンブラント、ルーベンス、ムリーリョ、ル・ナン兄弟、ヴァトー、ブーシェ、シャルダン、ドラクロワ、ミレーなど、各国・各時代を代表する巨匠たちの名画が一堂に会します。 膨大なコレクションを誇るルーヴル美術館だからこそ実現できる、時代と地域を横断する、かつて例を見ない大規模な風俗画展。ヨーロッパ風俗画の多彩な魅力を、是非ご堪能ください。

フェルメールの《天文学者》

17 世紀オランダを代表する画家フェルメールの円熟期の傑作、《天文学者》が待望の初来日を果たします。 《天文学者》はユダヤ系の銀行家一族、ロートシルド家に旧蔵され、第二次世界大戦中にヒトラー率いるナチス・ドイツに略奪されるという数奇な運命を経たのち、 1983年にルーヴル美術館に収められました。同館に所蔵されるフェルメール作品は、2009年に来日を果たした《レースを編む女》と、《天文学者》の2 点のみです。 そのため、常設展示に欠かせない《天文学者》は、ルーヴルを離れることがきわめて稀な作品のひとつでした。 本展は、この貴重なフェルメール作品を日本で堪能できる、またとない機会となります。

会期 2015年2月21日(土)~6月1日(月)
毎週火曜日休館 ただし、5月5日(火)、26日(火)は開館
開館時間 10:00~18:00 金曜日、5月23日(土)、24日(日)、30日(土)、31日(日)は20:00まで
4月25日(土)は22:00まで
入場は閉館の30分前まで
会場 国立新美術館 企画展示室1E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
主催 国立新美術館、ルーヴル美術館、日本テレビ放送網、読売新聞社
後援 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
特別協賛 野村證券
協賛 大日本印刷、損保ジャパン日本興亜
協力 エールフランス航空、日本通運、JR東日本、BS日テレ、CS日テレ、ラジオ日本、J-WAVE、InterFM、文化放送、テレビ神奈川
企画協力 NTVヨーロッパ

文化庁 本展は,政府による美術品補償制度の適用を受けています。

観覧料(税込)
当日 1,600円(一般)、1,200円(大学生)、800円(高校生)
前売/団体 1,400円(一般)、1,000円(大学生)、600円(高校生)
  • 中学生以下および障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料。
  • 3月18日(水)~4月6日(月)は高校生無料観覧日。(学生証の提示が必要)
  • 前売券は、2014年11月1日(土)から2015年2月20日(金)まで販売。
  • チケット取扱い:国立新美術館、ローソンチケット[ Lコード:32500]、イープラス、セブンチケット[セブンコード:034-018]、チケットぴあ[Pコード:766-418]、楽天チケット、tixee(ティクシー)ほか主要プレイガイド(手数料がかかる場合があります。)
  • チケットの詳しい情報は、展覧会ホームページのチケット情報をご覧ください。
  • 団体券は国立新美術館でのみ販売。(団体料金の適用は20名以上)
  • 会期中に当館で開催中の他の企画展、および公募展、またサントリー美術館、森美術館(六本木アート・トライアングル)で開催中の展覧会チケット(半券可)を提示された方は、本展覧会チケットを100円割引でご購入いただけます。
  • 国立美術館キャンパスメンバーズ加盟の大学等の学生・教職員は本展覧会を団体料金でご覧いただけます。
  • その他の割引などお得な情報はこちらをご覧ください。
  • 会場での観覧券購入に次のクレジットカードと電子マネー等がご利用いただけます。 クレジットカード:UC、MasterCard、VISA、JCB、AMEX、Diners Club、DISCOVER、電子マネー:Suica(スイカ)、PASMO(パスモ)、ICOCA(イコカ)等、iD その他:J-Debit、銀聯
巡回情報 2015年6月16日(火)~9月27日(日)  京都市美術館
お問合せ ハローダイヤル 03-5777-8600

展覧会の構成

プロローグⅠ 「すでに、古代において・・・」風俗画の起源

ヨーロッパ美術の歴史において、日々の営みを描く習慣は、はるか古代にさかのぼり、じつに幅広い地域に散見されます。古代における日常生活の描写は、儀式の一場面を表していたり、墓碑を装飾する図像であったりと、多くの場合、宗教的・社会的な目的や用途を担っていました。しかし、古代エジプトでスケッチのために用いられたオストラコン(石灰岩の剥片、陶片)には、何気ない日常の一コマの、みずみずしい描写を見ることもできます。
展覧会のプロローグとなるこのセクションでは、古代のエジプト、ギリシャ、そして中東の諸作品における日常的情景の表現に、風俗画の起源を探ります。
また、古代の風俗描写がのちのヨーロッパ絵画に直接に着想を与えた例として、18世紀後半に新古典主義の端緒を開いたフランスの画家、ジョゼフ=マリー・ヴィアンによる絵画《アモルを売る女》を紹介します。

プロローグⅡ 絵画のジャンル

中世のヨーロッパでは、絵画制作は職人の手仕事と考えられていましたが、ルネサンス期を迎えると、絵画の地位を高めるために、画家は古代史や神話など学識を要する物語を描くべきだとする理論が、イタリアで生まれました。
この考え方を受け継いだフランス王立絵画彫刻アカデミー(1648年創設)では、人物を中心とした物語場面を描く「歴史画」を頂点に、主題によって絵画を分類する「ジャンル」の理論が展開されていきます。王侯貴族など身分の高い人々を描く「肖像画」は、歴史画に次ぐジャンルとされましたが、一方で、「風景画」は人物を描く歴史画と肖像画には及ばないものとされ、命なき事物を描く「静物画」は、さらに下位に置かれる傾向にありました。そして、本展のテーマである、身近な人々の日常に着想を得た絵画には、決まった呼び名もない時代が長く続いたのです。これが「風俗画」という一つのジャンルとして認められるに至ったのは、18世紀後半から19世紀にかけてのことでした。
フランスで培われた絵画理論はヨーロッパ各国にも波及します。市民生活を主題にした風俗画が盛んに描かれたオランダでも、理論上で高位を占めたのは歴史画でした。
このセクションでは、ジャンルの理論の萌芽がみられた17世紀フランスの諸作品によって、歴史画、肖像画、風景画、静物画、風俗画の5つのジャンルを紹介します。

1章 「労働と日々」—商人、働く人々、農民

本章のタイトルは、古代ギリシャの詩人ヘシオドスによる高名な叙事詩、『労働と日々』に由来します。ヘシオドスが、神々から授けられた農耕という仕事に励むことの大切さを吟じたように、労働はあらゆる時代を通じて、人間の日々の営みのなかで最も本質的なものであり、本展が対象とする16世紀から19世紀にかけてのヨーロッパ各国の風俗画においても、常に中心的なテーマのひとつでした。
商人、農民、職人、召使いの女性、物乞い ― 本章で取り上げる作品には、さまざまな職業に従事する人々の日常の一端を垣間見ることができるでしょう。とはいえ、それらはほぼ例外なく教訓的意味や風刺を担っており、その職業ならではの特質や、制作当時の社会状況を反映しています。
しかし、19世紀には、レアリスムへと至る流れのなかで、過酷な労働に明け暮れる農夫や職人の動作の力強さや、その尊厳あふれるたたずまいなど、労働そのものを描くことに関心が寄せられるようになっていきます。ドラクロワとミレーの作品は、その好例といえるでしょう。

2章 日常生活の寓意―風俗描写を超えて

「絵画のジャンル」のセクションで見たように、身近な日常生活に着想を得た絵画は、なんらかの教訓的意味を担った物語を描く歴史画とは、一線を画すジャンルとみなされていました。
しかし、17世紀のオランダ・フランドルの絵画のなかには、聖書や神話の一場面でありながら、無名の人々の日常的情景のように見える作例があります。そこでは、聖人たちや神々の服装、仕草、彼らを取り巻く家具調度などが、画家自身の時代に即して描かれているのです。
その一方で、トランプに興じる男たちや、客に運勢を告げる女占い師など、日常のささいなエピソードのもとに、賭け事の危険性や詐欺への警告を込めた風俗画には、歴史画のような深い教訓性を読み取ることができます。また、啓蒙の世紀である18世紀には、フランスのグルーズ、イギリスのホガースが、市民階級の人々を主人公とした場面に道徳的メッセージを託すことによって、日常生活の絵画の歴史に新たな局面を開きました。
本章の作品には、風俗画というジャンルの境界をあらためて考えさせてくれるような表現の数々を見ることができるでしょう。

3章 雅なる情景―日常生活における恋愛遊戯

恋の戯れは、古今東西、あらゆる時代のあらゆる人にとって、ささやかな日常に彩りを添えてくれる営みといえるのではないでしょうか。日々の暮らしに題材を得る風俗画においても、男女の恋愛沙汰は、主要なテーマのひとつでした。
17世紀のオランダでは、室内でワインを飲み交わしたり、ともに楽器を奏でる男女を主題にした風俗画が、数多く描かれました。こうした情景には、しばしば、節度ある生活の勧めや不道徳な恋愛への警鐘など、道徳的暗示が込められています。
一方、18世紀のフランスでは、ロココ絵画の巨匠ヴァトーが、緑豊かな自然や庭園のなかに、最新流行の衣服をまとった紳士淑女が集う情景を描き、雅宴画(フェット・ギャラント)と呼ばれる独自のジャンルを生み出しました。ヴァトーに連なるフランスの画家たちが描いた優雅な男女の姿は、恋がもたらす歓びや幸福感にあふれているように見えます。こうした特徴は、ゲインズバラをはじめとするイギリスの画家たちの作例にも見いだすことができるしょう。また、18世紀には、同時代の文学作品における恋の場面に着想を得た作品も、数多く描かれました。

4章 日常生活における自然—田園的・牧歌的風景と風俗的情景

17世紀以降の風景画は、理想的に構築された風景のなかに神話や聖書の登場人物を配した「英雄的風景」と、より素朴な自然描写に基づく「田園的・牧歌的風景」の二つに大別されます。本章が対象とするのは後者の風景画ですが、なかには風俗画と呼べそうなほどに、人間の日々の営みの描写が際立つ作品も見いだされます。その好例といえるのが、「狩猟」をテーマにした風景画です。たとえば、16世紀末にイタリアのボローニャ派を主導したアンニーバレ・カラッチは、雄大な自然の眺望のなかに、獲物を追う人々や従者たちの姿をみごとに溶け込ませました。一方、18世紀フランスの画家パロセルによる象狩りの情景では、風景よりもエキゾチックな狩りの描写が強調されています。また18世紀には、ヴァトー周辺の画家たちによって、狩りの食事 ― 狩猟のあいまに草地に集い、軽食をとる優雅な男女という新たな主題も開拓されました。
18世紀後半に流行した嵐の風景も、風俗描写を考えるうえで、興味深い題材です。荒れ狂う嵐に立ち向かう農民たちの描写には、自然に対する人間の日常的な戦いを読み取ることができるでしょう。
一方で、コローを先駆とする19世紀のレアリスムの画家たちの作品では、あるがままの自然の率直な描写に主眼が置かれ、人間の営みは、自然の一部にすぎないものとなっています。

5章 室内の女性―日常生活における女性

女性の日常生活は、男性が大多数を占めた画家と鑑賞者のどちらにとっても、魅力的な主題であったことは想像に難くありません。たとえば、鏡の前で身づくろいをする女性という主題は、16世紀から19世紀を通してヨーロッパ各国で描かれています。こうした作品では、多くの場合、女性たちは鏡のなかの自分にうっとりと見入ったり、化粧をしながら大きく胸をはだけたりと、本来であれば人目に触れることのない姿をさらしています。
また、東洋趣味が現れた18世紀から19世紀半ばにかけてのフランスでは、イスラムの後宮の美女「オダリスク」のテーマのもとに、官能的な裸身の女性が数多く描かれました。
一方、17世紀オランダの風俗画には、幼児に授乳したり、子どもたちに読み書きを教えるなど、母としての役割をつとめる女性の姿が見いだされます。当時のオランダ社会では男女の役割分担が重視され、夫には稼ぎ手として家族を扶養することが求められた一方、家計のやりくりから、使用人の監督、子どもたちの養育まで、家政をとりしきることは妻の役割と考えられていました。

6章 アトリエの芸術家

作品制作の場であり、教育の場でもあったアトリエは、そこで多くの時間を過ごす画家たちにとっての日常空間でした。そして、その主である芸術家がひとたび世に認められれば、顧客が集い、作品が売られる社会的で商業的な場にも変貌したのです。もともとは職人的な徒弟制度のもと運営されていたアトリエでしたが、17世紀以降は、一人の画家が自らの想像力と向き合う私的な空間としても存在するようになります。絵筆を手にカンヴァスに向かう画家の周りには、ときに簡素な壁が広がり、ときに画材や日用品が乱雑に置かれていますが、いずれも彼の趣味や生活を反映しています。アトリエ内部の描写は、もしかしたら肖像画以上に、芸術家の個性を伝えてくれるのかもしれません。
また一方で、18世紀の美術愛好家の室内情景からは、芸術家を支えた人々の暮らしぶりがうかがえます。そして、大きなアトリエともいうべきルーヴル宮のグランド・ギャラリーで模写をする画家たちの営みを描いた作品によって、本展覧会を締めくくりましょう。

※≪サモトラケのニケ≫の彫像は本展覧会には出品されません。

関連イベント

アート・トーク(整理券)

「ルーヴル美術館展 アート・トーク」
『東京暇人~TOKYO hi-IMAGINE~』公開収録
出演 山田五郎、平野綾
日時 3月20日(金)18:00-19:00(開場17:30)
会場 国立新美術館 3階 講堂

*定員260名。当日、整理券を配布します。(定員に達し次第、配布終了)
 整理券は10:00から開場10分前まで1階中央インフォメーションで配布します。(お1人様1枚)
*聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)が必要です。
*内容や日時は都合により変更となる可能性があります。あらかじめご了承ください。
*テレビカメラでの収録の際、客席が映り込む場合がありますので、あらかじめご了承ください。
*収録の模様は、後日、日本テレビ「東京暇人」などで放送予定です。

講演会(先着順)

「風俗画の魅力――レンブラントとフェルメールの時代」
講師 尾崎彰宏(東北大学大学院教授)
日時 4月12日(日)14:00-15:30(開場13:30)
会場 国立新美術館 3階 講堂

*定員260名。先着順での入場となりますので、お申し込みは不要です。
*聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)が必要です。
*内容や日時は都合により変更となる可能性があります。あらかじめご了承ください。

対談(事前申込)

「天文学者×占星術師 フェルメール《天文学者》をめぐって」
対談者 渡部潤一(自然科学研究機構国立天文台副台長)、鏡リュウジ(占星術研究家)
日時 4月18日(土)14:00-15:30(開場13:30)
会場 国立新美術館 3階 講堂

申込みが定員に達しましたので、募集は終了しました。
お申し込み済みの方は、参加証をこちらのページでご確認いただけます。
*定員260名。事前申し込み制となります。
*聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)が必要です。
*内容や日時は都合により変更となる可能性があります。あらかじめご了承ください。
*先着順の受付となりますので、締め切り時期に関わらず、定員に達した時点で申し込みを終了とさせていただきます。
*参加申し込みをされた方以外の当日参加は固くお断りします。
*お申し込みいただいた個人情報は、本事業のために使用し、その他の目的では使用しません。

講演会(先着順)

「17・18世紀フランスの風俗画」
講師 宮島綾子(国立新美術館主任研究員)
日時 5月9日(土)14:00-15:30(開場13:30)
会場 国立新美術館 3階 講堂

*定員260名。先着順での入場となりますので、お申し込みは不要です。
*聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)が必要です。
*内容や日時は都合により変更となる可能性があります。あらかじめご了承ください。

取材に関するお問い合わせ

「ルーヴル美術館展」広報事務局(共同PR内)
〒104-8158 東京都中央区銀座7-2-22 同和ビル7F
TEL : 03-3575-9823
FAX : 03-3574-0316

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