高貴な緑
ブルガリの革新的な色使いは、「貴石」という用語の再評価を促しました。今日では、この分類はもはや宝石学の本来の文脈に当てはまらなくなっています。かつては、何を貴石とみなすかは文化によって大きく異なっていました。
その最たる例が緑色の宝石です。西洋の宝石学の伝統ではエメラルドは貴石とされていますが、ペリドットやジェイド(翡翠)のような石は、かつてはこのカテゴリーから除外されていたのです。ペリドットは、そのオリーブグリーンの色から歴史的に「オリビン」という名で知られ、古代ローマの人々から高く評価されていました。同様に、アメリカ大陸からオセアニア、そしてとりわけアジアにいたるまで、大陸を越えて珍重されたジェイドは、長きにわたり世界で最も重要な宝石のひとつとみなされてきました。