国立新美術館 連続講座:美術館を考える

2020年のパンデミック以降、私たちは「共にあること」の意味を自問してきたのではないでしょうか。更に戦争や対立が深まっている日々、美術館においても例外ではなく、異なる立場の人々が同じ空間を共有しながら作品と出会い、遠い世界や他者を想像し、内省的な時間を持つことの意義を再認識することが求められています。
今回の連続講座では、改めて「美術館を考える」と題して、多様な視点から美術館における公共性とは何かについて考えます。19世紀を起点に日本の美術館の成り立ちと変遷を俯瞰することから始め、20世紀以降の「展覧会」を中心とした歴史観の再編、さらには90年代以降のグローバリズム、メディア論的観点から、今年度は4回の講座を通して美術館の可能性について考察します。

開催スケジュール

第1回「美術館の誕生1877」  募集終了しました
日程:11月27日(日)
講師:木下 直之(静岡県立美術館館長)

第2回「展覧会とアーカイヴ——モノをめぐる空間」 参加申込受付中
日程:12月18日(日)
講師:渡部 葉子(慶應義塾大学アート・センター 教授/キュレーター、慶應義塾ミュージアム・コモンズ副機構長)

第3回「21世紀の美術館はどこへ向かうのか:資本主義とコスモポリタニズム」 
日程:2月18日(土) ※オンライン配信のみ
講師:村田 麻里子(関西大学社会学部教授/オランダ国際アジア研究所(IIAS)研究員)

第4回「変貌するミュージアムコミュニケーション」 
日程:3月19日(日)
講師:光岡 寿郎(東京経済大学教授)

第2回「展覧会とアーカイヴ——モノをめぐる空間」

講師:
渡部 葉子(わたなべ ようこ)氏
慶應義塾大学アート・センター 教授/キュレーター、慶應義塾ミュージアム・コモンズ副機構長

講演概要:
展覧会は作品が展示され、見る人がモノに出会う空間です。アーカイヴはモノが着地し、コミュニケーションの核として動き出す空間と言ってよいかもしれません。2020年春、パンデミック下にあって「見ることが奪われた展覧会」のアーカイヴ的道行きは、展覧会とアーカイヴの新しい関係の提案でもありました。また、翌2021年には、パンデミック下でもっとも忌避された「接触」を公共空間において問い直すことで、作品と享受者の関係を見つめる機会をもつことになりました。今回の講演では、慶應義塾大学アート・センターで2020年春に予定していた「河口龍夫 鰓呼吸する視線」展とその後の展開を辿りながら、予想できない事態に見舞われた中で、モノをめぐる空間はいかに機能したのかを、改めて問い直します。また、アーカイヴをめぐるモノと解釈の関係を考える教育的実践として、オブジェクト・ベースト・ラーニングの観点から、美術館における学びの可能性を考えます。

日 時 2022年12月18日(日) 14:00~15:30(13:30開場)
会 場 国立新美術館 3階講堂
定 員 40名 ※応募者多数の場合は抽選
対 象 どなたでもご参加いただけます。特に美術館に関する学術分野(博物館学・美術史学・ミュージアムスタディーズ・メディア論など)に関心のある方、アートマネジメントに関心のある方、アーティスト、公立文化施設について深く考えたい方など
※第1回への参加の有無にかかわらずご応募いただけます。
参加費 無料 ※事前申込が必要です。
参加申込・締切 オンラインによるお申込みとなります。参加を希望される方は、下記URLからご登録ください。
https://forms.office.com/r/16iHzXmz5s【申込締切:12月8日(木)23:59】

※応募者多数の場合は、抽選で参加者を決定いたします。参加の可否については、12月9日(金)以降にEメールでお知らせいたします。
※申込フォームを送信すると、記入されたメールアドレスに確認メールが届きます。しばらく経っても確認メールが届かない場合は、メールアドレスが間違っているか、迷惑メールに振り分けられている可能性がございます。再度ご確認の上、改めてフォームを送信ください。不明点がございましたら、下記のハローダイヤルまでお問合せください。
※必要事項に記入漏れがある場合、受付をお断りすることがあります。
※申し込み時にご記入いただいた個人情報を、本プログラム実施以外の目的で使用することは一切ありません。
プログラム(予定) 14:00-14:10   開会挨拶
14:10-15:10   講師による講演
15:10-15:30   会場からの質疑応答

※プログラムは都合により変更となる場合がございます。
お問い合わせ先 TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)

※プログラム終了後、オンデマンド配信を行います。(配信視聴のみを希望される方の事前登録は不要です。)
※連続講座第3回以降の詳細については随時情報を更新します。
※本イベントの記録写真を、活動報告や広報の目的で公開する場合がありますので、あらかじめご了承ください。

第2回 講師プロフィール

渡部 葉子(わたなべ ようこ)
慶應義塾大学アート・センター 教授/キュレーター、慶應義塾ミュージアム・コモンズ副機構長

専門は近現代美術史。東京都美術館、東京都現代美術館において学芸員として活動。2006年より慶應義塾大学アート・センターにて、展覧会や各種催事を企画実施するとともに所管アーカイヴにも関わる。アーカイヴ活動と展示やワークショップを結びつけた活動を展開。また、慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)の立ち上げを主導し、教育プログラムではOBL(オブジェクト・ベースト・ラーニング)を実践。

第1回「美術館の誕生1877」

講師:
木下 直之 (きのした なおゆき)氏
静岡県立美術館館長

講演概要:
1877年(明治10)夏、日本で初めて「美術館」を名乗る建物が東京に出現した。上野公園で開かれた内国勧業博覧会の中心施設である。まずはそこを訪れて、何が展示され、何が期待された美術館であったのかを正確に知ろう。現代の国立新美術館にまで繋がるもの、断絶したものを考えることになるからだ。当時の東京では、隅田川畔の料亭で飲食を伴う書画会が盛んに開かれ、浅草寺境内で油絵の見世物が人気を呼んでいた。遅れて登場した美術館は、それらとは異なり、沈黙と凝視の場所になった。10年前の幕末期には、欧米の美術館の存在が知られるようになる。美術館は日本社会に出現した新しい公共空間ゆえに、20年後には、黒田清輝の裸体画をめぐって紛糾する。1877年を中心に、1867年のパリ万国博覧会から1901年の裸体画を布で隠した「腰巻事件」までを視野に収め(とはいえたったの34年間)、美術館の誕生を振り返りたい。

日 時 2022年11月27日(日) 14:00~15:30(13:30開場)
会 場 国立新美術館 3階講堂
定 員 40名 ※応募者多数の場合は抽選
対 象 どなたでもご参加いただけます。特に美術館に関する学術分野(博物館学・美術史学・ミュージアムスタディーズ・メディア論など)に関心のある方、アートマネジメントに関心のある方、アーティスト、公立文化施設について深く考えたい方など
参加費 無料 ※事前申込が必要です。
参加申込・締切 オンラインによるお申込みとなります。参加を希望される方は、下記URLからご登録ください。
https://forms.office.com/r/hM25eni4t9 【申込締切:11月20日(日)23:59】 募集終了しました

※応募者多数の場合は、抽選で参加者を決定いたします。参加の可否については、11月22日(火)以降にEメールでお知らせいたします。
※申込フォームを送信すると、記入いただいたメールアドレスに確認メールが届きます。しばらく経っても確認メールが届かない場合は、メールアドレスが間違っているか、迷惑メールに振り分けられている可能性がございます。再度ご確認の上、改めてフォームを送信ください。不明点がございましたら、下記のハローダイヤルまでお問合せください。
※必要事項に記入漏れがある場合、受付をお断りすることがあります。
※申し込み時にご記入いただいた個人情報を、本プログラム実施以外の目的で使用することは一切ありません。
プログラム(予定) 14:00-14:10   国立新美術館長開会挨拶
14:10-15:10   講師による講演
15:10-15:30   会場からの質疑応答

※プログラムは都合により変更となる場合がございます。
お問い合わせ先 TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)

※プログラム終了後、オンデマンド配信を行います。(配信視聴のみを希望される方の事前登録は不要です。)
※連続講座第2回以降の詳細については随時情報を更新します。
※本イベントの記録写真を、活動報告や広報の目的で公開する場合がありますので、あらかじめご了承ください。

第1回 講師プロフィール

木下 直之(きのした なおゆき)
静岡県立美術館館長

1954年浜松市生まれ。兵庫県立近代美術館学芸員、東京大学総合研究博物館助教授、東京大学文学部教授(文化資源学)を経て、2017年より現職。19世紀日本の造形表現、見世物やミュージアムなどの展示空間に関心がある。著書に『美術という見世物』(サントリー学芸賞)、『わたしの城下町』(芸術選奨文部科学大臣賞)、『銅像時代』、『動物園巡礼』、『股間若衆』など。2015年紫綬褒章。明治美術学会会長、神奈川大学日本常民文化研究所所員、東京大学名誉教授。