ID:82238
幻想のパランプセスト 門坂流展 Kadosaka Ryu
幻想のパランプセスト ~架空の美術館園~
会場
不忍画廊
SHINOBAZU GALLERY
会期
2026年 7月11日 sat. - 8月1日 sat.
展覧会概要
幻想のパランプセスト 門坂流展 ゲンソウノパランプセスト カドサカリュウテン
Kadosaka Ryu
長い時間を費やして習得した版刻の魔力を駆使して、門坂流が明晰に浮かびあがらせるのは、おもに、うねりや飛沫と化した川の流れ、狂おしく渦巻く海流、生のエネルギーを横溢させる樹木、妖しく揺れ動く植物の葉などで、要するに、自然に秘められた、つねに蠢いてやまない力(フォルス)であるが、それはときにあまりにも荒々しく、不穏でさえあった。たしかにそれらは、自然の対象を自らに役立つ手段として飼いならそうとするわれわれの日常的-習慣的な眼には、見なれたと思い込んでいる自然が異様に変貌したかのごとき幻想的なイメージとしてうつるかもしれない。
だが、日々の生活に追われるわれわれとて、つねに日常‐習慣の眼に囚われているというわけではない。ふとしたときに呪縛から解き放たれて、その眼が芸術家の眼と一致することもあったはずである。そのとき、幻想と思っていたものは、実のところ、生の現実の過剰であったと気づくのではなかろうか。ただし、その体験がたとえ日常に亀裂を穿つほどの強烈なものであったとしても、逃れようのない日常への復帰がわれわれのうちに芽生えた芸術家の眼を生活に役立たない無用な異物、すなわち得体の知れない他者の眼と断じて、ふたたび記憶の奥底へ封印してしまうだろう。
門坂流の残した作品群は、抑圧され、封じられた、ときに戦慄を予感させるほどに豊穣な生の記憶を刺激し、呼び覚ますアナムネシス(記憶回復)の装置とはいえまいか。それは、何度でも、濃密で過剰な生の躍動へとわれわれを連れ戻してくれるだろう。
相馬 俊樹
- 休催日
- 月・火・水・祝日
- 開催時間
- 12:00 ~ 18:00
会場情報
登録日:2026年7月21日