ID:81402

古川 松平 展 EXHIBITION Shohei Furukawa

会場

Oギャラリーeyes

O Gallery eyes

会期

2026年1月26日(月)-1月31日(土)

展覧会概要

古川 松平 展 フルカワ ショウヘイ テン

EXHIBITION Shohei Furukawa

絵画の死角
絵画は死角を描く。日頃見ていながら、見過ごしているものや風景、かたちなど、私たちが世界を見るとき死角や盲点になっている光景を描き出す。
古川松平の絵画は、こうした日常の「死角」や「盲点」を描いてきた。古川は、2004年に大阪芸術大学芸術学部美術学科研究生課程を修了後、大阪を拠点に発表を始めた。初期には、学校の教室風景やパチンコ台の盤面、ダイヤモンドが二重露光のように夜景と重なる超現実的な絵画を描いてきた。穏やかな色調で描かれる画面は、浮遊感が漂い、白昼夢的だ。
2015年のグループ展「The garden of the ray 5―Illuminated place」 (Oギャラリーeyes・大阪)で発表した作品 《visibility(視界、見える範囲)》 というタイトルは古川の絵画にとって象徴的なキーワードだ。近年では、鏡や額(フレーム) など、絵画の構造を取り入れた複雑な風景画や静物画を探究しているからだ。例えば、「scenery behind」(2021)シリーズでは、車のサイドミラーを描くことで、画中画のように後景を取り込む。中には、サイドミラーに室内の子どもの情景が映るなど、本来ならば見えない光景が描かれ、時間と場所のズレが感覚を揺さぶる。
画面内の視界の狭さも特徴だ。ベランダ越しの風景に視点が異なる絵画が重ねられ、風景を覆い隠すように、黒いタブレットやスマートフォン、液晶モニターが描かれる。
ダイニングテーブルをモチーフとした静物画では、「四角い」テーブル上にさまざまなものが並ぶが、映画の主観ショットのように見える範囲が限られる。
レオン・バッティスタ・アルベルティは『絵画論』(1435) で、絵画を四角い窓にたとえたが、古川の絵画には、さまざまな「四角い窓」が挿入される。 なぜ、古川は風景画や静物画の視界を遮るように、異なるフレームを絵画内に入れるのだろうか。
1つは、絵画内で「絵画」を見る構造にあるだろう。また、風景を見るとき、かつての記憶や未来のビジョンを重ね合わせる視覚経験もあろう。一方で、絵画に描かれない「死角」を想像させる役割もある。古川の絵画は、地と図、前景と後景、現実と幻想の境界が曖昧で、何かが見えない「死角」の光景が、新しい視界として広がっているのだ。
古川の絵画に描かれる「四角」はどんな外界へとつながっているのだろうか。それを確かめる機会を見過ごしてはならない。
平田剛志(岐阜現代美術館・学芸員)

協賛・協力等
テキスト:平田剛志(岐阜現代美術館・学芸員)
開催時間
11:00 ~ 19:00
土曜日17:00

会場情報

Oギャラリーeyes O ギャラリー eyes

O Gallery eyes

会場住所
〒530-0047
大阪市北区西天満4-10-18 石之ビル3F
ホームページ
http://www2.osk.3web.ne.jp/~oeyes/
更新日:2026年2月3日
登録日:2026年2月3日