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ID:79664

齋藤真一「瞽女」

会場

出羽桜美術館

DEWAZAKURA ART MUSEUM

会期

2025年5月16日[金]—8月31日[日]

展覧会概要

齋藤真一「瞽女」 サイトウシンイチ「ゴゼ」

瞽女(ごぜ)は、盲目の女旅芸人です。村から村へ、三味線を弾きながら祭文松坂(さいもんまつざか)を唄い、口説(くどき)を語り、流行(はやり)歌を唄い、ときには地方のニュースまでたずさえて渡りあるいたさすらい人です。瞽女は室町時代から数百年の間、農民とともに生きつづけてきました。瞽女唄が日本の唄の源にあることを知った斎藤真一は、当時(一九六四年)越後高田にお住まいになっていた瞽女、杉本キクエさん、五十嵐シズさん、難波コトミさんの一年の旅程を驚くべき記憶力をもつキクエさんから聞いた話のすべてをたどって、百数十人の瞽女さんの哀しい生涯と、三百軒以上ある瞽女宿の人たちとの温かい心の触れ合いや、瞽女の足跡を越後の山村をめぐり二十年あまりの歳月をかけて、五百枚以上の絵日記「越後瞽女日記」として記録、作画しました。
瞽女さんの一生は、旅に明け旅に暮れます。どんな険しい山道も、谷も川も峠も越えて行きます。十五キロの荷物を背負って、一年で四千キロ、五百余ヶ所の村、三百余軒の瞽女宿をめぐったといいます。
雪のまだ深い二月からはじまり、十二月二七日まで続くその旅は、村人たちのあたたかい歓迎と深い交りとによって成り立っていました。
しかし瞽女さんは、単なるさすらい芸人とちがって、きびしい掟をもつ特殊な社会をつくっていました。かつては高田にはたくさんの瞽女屋敷がありました。そこにはそれぞれ親方がいて、目の不自由な幼い女子をもらいうけ、やしない修業をつませるのです。その修業はきびしく、幼い手に三味線をにぎらされ、雪の日も窓をあけたまま、かじかんだ手を撥(ばち)で打たれながら唄を覚えさせられました。祭文松坂の一段は三十分ありますが、一人前になるためには、最低五〇段は覚えねばなりません。一人前になってからも、新しい唄を覚え、自分でもつくり、こうして、日本の民謡の源が口から口へ、伝承されていったのです。
瞽女社会は、女だけの社会です。生涯、夫を待ってはいけない掟でありました。むろん男と交わることも禁じられていて、きびしい厳罰もありました。旅から帰り、腹が大きくなっているのに気付いて家を出てしまう娘、人知れず産みおとして里にあずける娘、男にだまされて金をみつぐ娘、そうした恋に泣く、哀しい話が多く残っています。掟をやぶった瞽女さんは、この社会から追われ、「瞽女くずれ」とか「離れ瞽女」とかよばれて末路はさびしいものでした。なかには、芸達者で美人の瞽女さんもいて、そういう人が流れていった先で「津軽じょんから節」などが生まれたといいます。
本展では、五百枚にものぼる絵日記「越後瞽女日記」の代表作と油彩画に斎藤真一の言葉を添えて失われてゆく日本の文化、忘れてはならない心の世界にいざないます。

協賛・協力等
協賛:出羽桜酒造株式会社・ギャラリー朱雀院
休催日
月曜日(祝祭日の場合は翌日)
開催時間
9:30 ~ 17:00
(入館は16:30まで)
観覧料
一般600円/高大生400円/小中生200円
展覧会ホームページ
https://www.dewazakura.co.jp/museum/museum2025-2.html[別ウィンドウ]

会場情報

出羽桜美術館 デワザクラビジュツカン

DEWAZAKURA ART MUSEUM

会場住所
〒994-0044
天童市一日町1-4-1
ホームページ
https://www.dewazakura.co.jp/museum/[別ウィンドウ]
更新日:2025年6月5日
登録日:2025年5月27日

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