国立新美術館、森美術館、国際交流基金アジアセンター
―2017年夏の展覧会共同開催に向け、リサーチプロジェクトが進行中!

ウェブサイト 「SEA プロジェクト」: http://seaproject.asia/

国立新美術館、森美術館、国際交流基金アジアセンターは、2017年夏の展覧会共同開催に向け、2015年、リサーチプロジェクト「SEAプロジェクト:東南アジアの現代美術――1980年代から現在まで」を立ち上げ、ASEAN10か国を中心に協働で調査活動を開始しました。「SEAプロジェクト」では調査のプロセスも重要な要素であると考え、これらを早い段階から公開・共有するため、このたび、ウェブサイトを開設するとともに、プレイベントを継続的に実施する予定です。

展覧会について

開催概要

会期 2017年7月上旬~10月下旬
会場 国立新美術館、森美術館
主催 国立新美術館、森美術館、国際交流基金アジアセンター

多くの国々が、戦後から1990年代にかけて徐々に独立・民主化した東南アジアでは、現代美術の表現においても、植民地主義以降の新たな国家建設、国家のアイデンティティ、欧米主導のモダニズムの受容と固有の文化的伝統との葛藤などが、主要なテーマとして表現されてきました。1980年代には、欧米の形式主義に相対する物語性、神話や呪術性なども注目されましたが、経済成長や近代化が進み、国際的にも多文化主義、現代美術を取り巻く制度のグローバル化が拡大した1990年代以降には、新しい課題や表現も見られるようになります。
「SEAプロジェクト」(※)では、国立新美術館および森美術館のキュレーターが、1980年代以降に生まれた東南アジアの新しい世代のキュレーターと協働することで、歴史に根差した今日的な視点を繋ぎ合わせていきます。そこでは、これまで語られて来なかった歴史に眼を向け、新しい物語を描こうとする姿勢、都市化や近代化が進行するなか、地方都市や地域コミュニティの文化や記憶の維持・再発見へ向けたコレクティブな活動、ハブ空港の出現やLCCの普及による域内での活発な移動や交流、さらには、公的な現代美術への制度的支援が未発達ななかで、自ら状況に変化をもたらそうとするDIY的でパフォーマティブな活動などが、大きな関心事として浮かび上がってきます。また、各地域でのこれまでの近現代美術の発展をアーカイブ化し、教育を通して次世代へ繋ぐことへの強い関心も感じられます。
2015年1月から始まった現地調査からは、経済成長や進歩主義的な積極性だけでなく、停滞、失速、改革、喪失、転置など多方向に変化する社会環境のなかで、自分たちの「いま」を生きる前向きな姿勢が見えてきています。2015年度から2017年度にかけて、こうした東南アジアの現地調査を継続しつつ、同時に各地域、分野の専門家との知的交流も深めながら、本展では極めて多様な道を辿ってきたこの地域の現代美術を、日本の観客といかに共有できるかを模索していきます。
※「SEAプロジェクト」は展覧会共同開催に向け現在活動中のリサーチプロジェクトの名称で展覧会タイトルではありません。