日伊国交樹立150周年特別展
アカデミア美術館所蔵
ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち

展覧会概要

アカデミア美術館は、ヴェネツィアの美術アカデミーが管理していた諸作品を礎として、1817年に開館しました。14世紀から18世紀にかけてのヴェネツィア絵画を中心に、約2000点を数える充実したコレクションを有しています。日本とイタリアの国交樹立150周年を契機として、このたび同館の所蔵品による本邦初の展覧会が実現する運びとなりました。テーマは、ルネサンス期のヴェネツィア絵画です。ルネサンス発祥の地であるフィレンツェの画家たちが、明快なデッサンに基づき丁寧に筆を重ねる着彩、整然とした構図を身上としたのに対して、ヴェネツィアの画家たちは、自由奔放な筆致による豊かな色彩表現、大胆かつ劇的な構図を持ち味とし、感情や感覚に直接訴えかける絵画表現の可能性を切り開いていきました。
本展では、選りすぐられた約60点の名画によって、15世紀から17世紀初頭に至るヴェネツィア・ルネサンス絵画の展開を一望します。ジョヴァンニ・ベッリーニからクリヴェッリ、カルパッチョ、ティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼまで、名だたる巨匠たちの傑作が一挙来日します。また、ヴェネツィア盛期ルネサンス最大の巨匠ティツィアーノが晩年に手がけた祭壇画の大作、《受胎告知》(サン・サルヴァドール聖堂)が特別出品されることも、本展の大きな見どころとなるでしょう。ヴェネツィア絵画の歴史のなかでルネサンス期に焦点を絞った展覧会は、国内ではほとんど例がありません。この貴重な機会に、水の都ヴェネツィアのルネサンスを彩った名画の数々を、ぜひご堪能ください。

会 期 2016年7月13日(水)~10月10日(月・祝)
毎週火曜日休館 ただし、8月16日(火)は開館
開館時間 10:00~18:00
金曜日、8月6日(土)、13日(土)、20日(土)は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会 場 国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
主 催 国立新美術館、TBS、朝日新聞社
後 援 外務省、イタリア大使館、BS-TBS、TBSラジオ、J-WAVE
協 賛 日本写真印刷、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
協 力 アリタリア-イタリア航空、日本貨物航空、アルテリア、日本通運
観覧料(税込)
当日 1,600円(一般)、1,200円(大学生)、800円(高校生)
前売/団体 1,400円(一般)、1,000円(大学生)、600円(高校生)
  • 中学生以下および障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料。
  • 9月17日(土)~19日(月・祝)は高校生無料観覧日。(学生証の提示が必要)
  • 前売券は、2016年4月1日(金)~7月12日(火)までの販売。(国立新美術館では7月11日(月)まで)
  • チケット取扱い:国立新美術館、展覧会ホームページほか、主要プレイガイド(手数料がかかる場合があります)
  • チケットの詳しい情報は、展覧会ホームページのチケット情報をご覧ください。
  • 団体券は国立新美術館でのみ販売。(団体料金の適用は20名以上)
  • 会期中に当館で開催中の他の企画展および公募展のチケット、またはサントリー美術館および森美術館(あとろ割対象)で開催中の展覧会チケット(半券可)を提示された方は、本展覧会チケットを100円割引でご購入いただけます。
  • 国立美術館キャンパスメンバーズ加盟の大学等の学生・教職員は本展覧会を団体料金でご覧いただけます。
  • その他の割引などお得な情報はこちらをご覧ください。
  • 会場での観覧券購入に次のクレジットカードと電子マネー等がご利用いただけます。 クレジットカード:UC、MasterCard、VISA、JCB、AMEX、Diners Club、DISCOVER、電子マネー:Suica(スイカ)、PASMO(パスモ)、ICOCA(イコカ)等、iD その他:J-Debit、銀聯
お問合せ ハローダイヤル 03-5777-8600

展覧会の構成

第1章 ルネサンスの黎明―15世紀の画家たち

ヴェネツィアのルネサンス美術は、フィレンツェよりも少し遅れて1440年頃に始まりました。その中心となったのが、ベッリーニ一族とヴィヴァリーニ一族の二大工房です。フィレンツェの先進的な美術の刺激を受けて、現実的な空間と人間的感情の表現を身につけた画家たちは、そうした表現力をヴェネツィア独自の豊かな色彩による装飾的趣味と融合させていきます。また、シチリア出身の画家アントネッロ・ダ・メッシーナによって、深味のある彩色を可能にする油彩の技法がもたらされたことも、大きな出来事でした。こうしたヴェネツィアの初期ルネサンス絵画を代表する最大の画家が、詩的な聖母子像を数多く描いたジョヴァンニ・ベッリーニです。また、宗教的主題のなかに当時のヴェネツィアの風俗を見事に描き出したヴィットーレ・カルパッチョ、七宝のような艶やかな色彩で独創的な宗教画を数多く描いたカルロ・クリヴェッリなど、個性豊かな画家たちを紹介します。

第2章 黄金時代の幕開け―ティツィアーノとその周辺

16世紀の初頭、二人の若い画家によってヴェネツィア絵画に革命がもたらされます。ジョルジョーネとティツィアーノです。先輩画家ジョヴァンニ・ベッリーニの豊かな色彩表現を受け継ぎながら、彼らはフィレンツェ派のレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロからも刺激を受けつつ、真にヴェネツィア独自といえる絵画の伝統を創始しました。その本質は、光と影の効果や色彩の調和に対する素晴らしい感覚にあります。彼らはこうした表現力を駆使することで、柔らかい光に包まれた風景や官能的な女性像を若々しい詩的な感性で描き出し、ヴェネツィア絵画の黄金時代を現出させました。この章では、ティツィアーノのいくつかの作品のほか、ジョルジョーネの影響を色濃く示すアンドレア・プレヴィターリの《キリストの降誕》やサヴォルドの《受胎告知》、「横たわる裸婦」の系譜に連なるパリス・ボルドーネの作品などが出品されます。また、ティツィアーノ晩年の大作《受胎告知》(サン・サルヴァドール聖堂から特別出品)は、本展の最大の見どころとなるでしょう。

第3章 三人の巨匠たち―ティントレット、ヴェロネーゼ、バッサーノ

ティツィアーノに続く世代としてヴェネツィアで活躍したのは、16世紀半ばに画壇に華々しくデビューしたヤコポ・ティントレットと、少し遅れてヴェローナから移住してきたパオロ・ヴェロネーゼでした。劇的な明暗表現で宗教画の大作を次々と描いたティントレットと、華麗な色彩と古典的な様式で貴族たちから高く評価されたヴェロネーゼ。対照的な個性をもった二人の画家は、熾烈なライバル関係をくり広げながら、老齢のティツィアーノに代わって世紀後半のヴェネツィア絵画をけん引する存在となりました。一方、ヴェネツィアの内陸領土の町バッサーノ・デル・グラッパでは、ヤコポ・バッサーノが独自の制作活動を展開していました。ジョルジョーネの流れを汲む情緒豊かな田園風景に託して聖書の主題を描き出したバッサーノの宗教画は、首都ヴェネツィアや外国の宮廷でも高く評価されています。この章では、これら三人の巨匠たちの大作を中心に紹介します。

第4章 ルネサンスの終焉―巨匠たちの後継者

1580年代の終わりから90年代の前半にかけて、前章の三人の巨匠が次々に他界していきました。ヴェネツィア絵画は、これら三巨匠のスタイルを受け継ぐ後継者たちの時代となります。ティントレットの息子のドメニコ・ティントレットや、晩年のティツィアーノとティントレットから大きな影響を受けたパルマ・イル・ジョーヴァネが、ヴェネツィアのルネサンス絵画の最後を飾る画家たちとなりました。さらに世代の降る画家として、とりわけティツィアーノの画風を模倣したパドヴァニーノがいます。彼の作風は、バロック絵画の始祖とされるカラッチ一族の様式に近い性質ももっており、ルネサンスからバロックへの過渡期を代表しています。本章では、パルマ・イル・ジョーヴァネの流麗な大型祭壇画や、パドヴァニーノの官能的な神話画など、ルネサンス様式の終焉とバロック様式への移行を示すいくつかの作品を展示します。

第5章 ヴェネツィアの肖像画

実在の人物の姿を生き生きと記録する肖像画は、ヴェネツィア画派が非常に得意とする分野でした。ヴェネツィアの肖像画は、宮廷風の堅苦しさから自由な、ときにカジュアルで、ときに内面性への深い洞察を含んだ様式を発展させ、その後の西洋美術の肖像画制作のモデルとなっていきます。この章では、ベッリーニの肖像画様式を反映した15世紀のマルコ・バザイーティの作品から、ジョルジョーネとティツィアーノによる肖像画の刷新に連なるジョヴァンニ・カリアーニの素晴らしい《男の肖像》、ベルナルディーノ・リチーニオの女性像の小品、ティントレットが闊達な筆致で名門貴族の老人を描いた傑作《サン・マルコ財務官ヤコポ・ソランツォの肖像》など、ルネサンス時代全般にわたる質の高い典型的なヴェネツィア肖像画をご覧にいれます。

関連イベント

①「ヴェネツィアのルネサンス ― アカデミア美術館の至宝」[終了]
講師 パオラ・マリーニ(アカデミア美術館 館長)
日時 7月13日(水) 14:00-15:30(13:30開場)
会場 国立新美術館3階講堂
※逐次通訳
②「ヴェネツィア ― 水上の迷宮都市」[終了]
講師 陣内 秀信(法政大学 教授)
日時 7月24日(日) 14:00-15:30(13:30開場)
会場 国立新美術館3階講堂
③「ティツィアーノ ― 晩年様式の驚異」[終了]
講師 越川 倫明(東京藝術大学 教授)
日時 8月27日(土) 14:00-15:30(13:30開場)
会場 国立新美術館3階講堂

*いずれも定員260名(先着順)
*聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)の提示が必要です。
*内容や日時は都合により変更となる可能性があります。あらかじめご了承ください。